コンゴ川で隔てられ共通の祖先から独自の進化をしたチンパンジーとボノボ
http://wc2014.2ch.net/test/read.cgi/wild/1453131949/10-13

Pan属の分布とボノボの移入経路
ttp://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research/research_results/2015/images/151019_2/02.jpg
ttp://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research/research_results/2015/documents/151019_2/01.pdf
アフリカのコンゴ川は、右岸北側に生息するチンパンジーと左岸南側に生息するボノボの分布域を隔てる明瞭な地理的障壁となっているが、
これまでボノボがなぜコンゴ川左岸の熱帯林に分布しているのかは、わかっていなかった。

多くの遺伝学的研究では、遺伝的に推定されるチンパンジーとボノボの分岐年代(80万年〜210万年前)をもとに、
この時代に形成されたコンゴ川がボノボとチンパンジーの共通祖先の分布域を分断し、種分化を促したと考えていた。

一方、近年の海底油田探査や海洋底掘削計画(ODP)による海洋底堆積物の報告や、大陸の地質や地球物理学的探査の報告によると、
現在のコンゴ川は3,400万年前に誕生したことが明らかになっている。
これは、ボノボの分岐だけでなく、ヒトやゴリラの分岐よりもはるかに古い出来事である。
つまりヒト科の祖先は、少なくともコンゴ川ができた3,400万年前以降はコンゴ川の右岸にしかおらず、
ボノボはチンパンジー・ボノボ共通祖先の少数の個体が最近になってコンゴ川の左岸に移入し、そこで進化してボノボとなったと考えられる。

また、100万〜180万年前の非常に乾燥した時期にコンゴ川の水量が低下したことがあるため、
ボノボの祖先はキサンガニ東の岩がつらなる浅瀬をわたってコンゴ川を渡ったと考えられる。
この推定は、遺伝学的に推定されるチンパンジーとボノボの分岐年代(80万〜210万年前)とも合致する。