マンボウ:「ひなたぼっこ」寄生虫取りのため…撮影に成功
http://mainichi.jp/photo/news/20120123k0000m040035000c.html
海面近くで漂うマンボウの群れ。体を横にしてひなたぼっこをしているようにも見える=関口圭子・国際基督教大研究員提供
http://mainichi.jp/photo/news/images/20120123k0000m040033000p_size5.jpg
マンボウから取った寄生虫をくわえるコアホウドリ。海面上に見える複数の三角形がマンボウの背びれ=関口圭子・国際基督教大研究員提供
http://mainichi.jp/photo/news/images/20120123k0000m040034000p_size5.jpg

マンボウがひなたぼっこをするように海面近くで漂いながら、コアホウドリに寄生虫を取ってもらう様子の撮影に北海道大などの研究チームが成功した。
マンボウの生態は謎が多く、海鳥との共生関係を示す証拠として注目されている。

北大水産学部の練習船「おしょろ丸」に乗船していた同学部と国際基督教大の研究チームは10年7月2日、北太平洋北部(青森から東に約2000キロ)でマンボウの群れに遭遇した。
いずれも体長40センチ程度の子供のマンボウで、少なくとも57匹確認。
約1時間半も船の近くを漂っていた。

その間、数羽のコアホウドリ、クロアシアホウドリがマンボウをつつくような行動を取っていたが、マンボウは逃げることなく、海鳥が近づくと体を横にする姿も見られた。
その様子を撮影した写真を拡大したところ、コアホウドリがペンネラ属の一種とみられるひも状の寄生虫をくわえて飛び立つところがはっきり写っていた。
観察結果をまとめた論文は、国際学術誌「マリン・バイオロジー」電子版に掲載された。

マンボウが海面で漂う行動は昔から目撃されてきたが、最近は「深海で餌を取った後に冷えた体を温めるため」という説が有力だった。
北大水産学部の阿部拓三・次席2等航海士(魚類生態学)は「観察できたのは大変幸運だった。コアホウドリが寄生虫を食べている瞬間を確認できたときは、謎が解けたようで感激した」と話した。【大場あい】