サッカーのワールドカップ(W杯)で日本が決勝トーナメントに進めば、多額の経済効果をもたらすと期待されている。

市場では3千億〜5千億円に上るとの見方もあり、28日のポーランド戦を前に宅配ピザや書店の商戦も過熱している。

「日本代表の躍進は投資家や経営者の心理面に前向きなメッセージを与えており、景気にはプラスだ」。

W杯と経済の関係を調査する三井住友アセットマネジメントの宅森昭吉チーフエコノミストはこう話す。

 日本が下馬評を覆したコロンビア戦の翌20日に日経平均株価が大幅反発したのもW杯効果が大きいと、宅森氏はみる。

1986年以降のW杯優勝国は、優勝した年の実質国内総生産(GDP)伸び率が前年実績と比べ平均3・2ポイント高かった。

最低でも0・9ポイント伸長したため、「日本も優勝すればGDPがかなり押し上げられる」と興奮気味だ。

第一生命経済研究所の永浜利広首席エコノミストは、日本が決勝トーナメントに進めば、ベスト16入りした2010年の南アフリカ大会と同じ215億円の経済効果があると試算している。