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 すがすがしい表情で李が振り返った。
紅白戦とはいえ、本気モード。
ボールの争奪戦から、乱闘劇に発展した形だったが、周囲の選手に止められ、大事には至らなかった。

 だが練習後、2人は“和解”。
遺恨は残さず、もちろんクラブが両選手にペナルティーを科すこともない。
9歳年下の関根と本気でやりあった李は「あいつには根性がある。今度、ご飯にでも連れて行きたいね」と笑った。

 5月31日にはアジア・チャンピオンズリーグの済州(韓国)戦で相手選手の乱闘騒ぎに巻き込まれたばかりだが、練習中の小競り合いは、本気の証し。
チームはリーグ戦3連敗中で、4連敗となれば、就任6年目となるペトロビッチ体制では初。
勝利に飢えた選手たちが、厳しい球際を本気で争った結果だった。

 「今日の紅白戦で1対1のバトルがあった。そこにこだわって、強い気持ちを出していかないといけない」

 DF槙野が、この日のバトルを歓迎した。
何よりもほしいのは広島戦での勝利。
選手が目の色を変えた。 
(宇賀神隆)