上智ではボランティアサークルが時々古本を売っていた。
当時「多言語話者」などとういう実現不可能な目標を持っていた私は
何か辞書でもないかと探していた。
すると角川書店から出版されて初版だけで絶版になった駄目辞書「アポロ仏和辞典」
が800円で売っていた。私はダサい姿を隠すようにその本を
会計に持っていった。するとそこには美しい女性がいた。
彼女は醜いアトピー小人の私に2回もお礼を言ってくれた。
おつりもコンビニの店員のように手のひらに落とすのではなく
直に渡してくれた。私は彼女の顔をこっそり見つめた。
小学校1年の時に同じクラスだったKFさんに似ていた。
そう言えば彼女は上智に入学後1年で退学し、医大に入りなおしたそうだ。
もう今頃は研修医だろう。
7 名前: 名無し上智大生道連れ 投稿日: 2004/04/20(火) 20:49
今でも思い出す記憶がある。
上智の1年の11月だった。
当時私はコートやジャケットを持っていなかった。
強風が拭く中、シャツ一枚でキャンパスを歩くと心も寒くなった。
私は郵便局前の商店でおにぎりと菓子パンを買うと
メインストリートに面した3号館4回のトイレの一番奥の
個室に入って、おにぎりやパンを食べながら垢抜けた学生の往来を
見ていた。確かその時間は授業があったはずだが、醜くダサい姿を
晒すのが苦痛でトイレから出ることができなかった。
「あんな美しい女性と仲良くできることはあるのだろうか」
そんなことを考えながら、日没を待って外に出た。闇に紛れるためだ