「徒然草」

賤しげなるもの。
居たるあたりに調度の多き。硯に筆の多き。持仏堂に仏の多き。
前栽(せんざい)に石・草木の多き。
家の内に子・孫(うまご)の多き。人にあひて詞の多き。
願分(がんもん)に作善(さぜん)多く書きのせたる。

多くて見苦しからぬは、文車(ふぐるま)の文、塵塚の塵。


(多くて邪魔なもの。家具、ペン、お守り、庭に石草、人、口数、自慢。
 多くていいのは、図書室の本とゴミ捨て場のごみ)