生活保護叩きって結局叩きたいだけやろ?貧乏人相手でも元・高額納税者相手でも、 口実つけてさ。3
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生活保護叩きって結局叩きたいだけやろ?口実つけて2
https://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/soc/1399253389/l50
↑過去スレ
今まで生活保護や精神疾患をバカにしてた事を懺悔スレ
http://toro.2ch.net/test/read.cgi/utu/1357697768/402 = https://peace.5ch.net/test/read.cgi/utu/1357697768/402
↑
メンタルヘルス板上記スレで「分かりやすい」と言われた。同じくリンク先リンク先社会世評板で実際にあったやり取りが以下の元ネタ。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お前ら、生活保護を叩いてるが、
「人様の税金で〜」とか言って叩いているのは結局叩きの為の口実ワケケでしょ?
どっちにしても叩くワケでしょ?
叩く事自体が目的になってるから、以下のようになってしまう。
叩く奴「人様の税金で食わせて貰ってるくせに」
俺「その理論を言うならおれは9億4000万円も相続税払ったが」
叩く奴 「そんな金あったらナマポになる必要なかったじゃん、それで親に養ってもらえばよかったじゃん。それって河本と同じなんじゃないの。君が不正受給した一方でナマポ貰えずひもじい思いして餓死した人もいるんじゃないかな」
(上記リンク先リンク先世評板にある、「ナマポの中から頑張ってスーツ代捻出して就職活動した人」に「スーツくらい持っていて当然だろ」ってのも叩きの為の叩き。ナマポになる段階で全て売り払ってスーツもなくなるワケだし、まさに、言い掛かりでもなんでも「ナマポを叩きたいだけ」ということが読み取れる。参考→↓
時事ネタまとめ 月収3千円「何度も自殺考えた」 生活保護めぐる訴訟★2 http://blog.livedoor.jp/global18/archives/51808441.html ←スーツも売り払ってナマポに)。
生活保護叩きは、納税(我々納税者の税金で生かしてもらってるくせに理論)という理論を振りかざしながら、
いざ相手が高額納税経験者と分かったら論点をすり替え、「そんなに金持ちだったらナマポが不正じゃん」という、時系列論も納税論も無視して、とにかく「叩く」という目的のためにはどんな論点の摩り替えもあり。
とにかく叩く事が目的になてるからこうなっちゃうんだよね。
つまり税金云々ってのは口実で実は単に僻みと叩きなだけ。みっともない。
「税金が〜」という理論なら高額納税者ほど偉いって事になる筈なのにね。
一般ナマポ゚には「俺らの税金で飯食ってるくせに」「納税してないくせに」と叩き、
高額納税者経験ナマポには「そんなに金があったなら〜」と叩き、
結局、税金だの納税だのは口実で、単に叩きたいだけ。叩く事が目的になってしまっている。
【論説】 「生活保護問題で河本が叩かれる日本…あり得ない。フランスなら勲章もらえるぐらいの模範市民なのに」…仏フィガロ紙記者★2 http://uni.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1343020967/
↑河本も高額納税者で、君らよりよほど納税してる
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 毎日のようにニートや犯罪者などをさがして嬉々として叩く原因として、
合法的にいじめを行える弱者を犠牲にすることで、不満を解消しようとすること、
他人を貶めることで自身の価値を上げようとすることがある
これが差別人間のみじめな心理である 非正規一筋20年“中年フリーター”の悲哀
1/30(水) 9:15配信
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190130-00027459-president-soci&p=1
この国では、非正規雇用で働く35〜54歳の「中年フリーター」が増加し続けている。なぜ彼らは「非正規」から抜け出せないのか。今も日雇い派遣で食いつなぐ石田健司さん(38歳)の取材から、「見えざる貧困」のリアルに迫る――。
※本稿は、小林美希『ルポ中年フリーター』(NHK出版)の一部を再編集したものです。
■仕事は極めて不安定
「いつも、どん底の時にお会いしますね」
この一〇年ほど継続的に連絡を取り合い、取材に応じてくれる石田健司さん(三八歳)は、苦笑いしながら近況を話してくれた。日雇い派遣で食いつなぐ日々で、仕事は極めて不安定だ。
日雇い派遣の時給は一〇〇〇円に届くか届かないかという水準で、一日働いても一万円に満たないことがほとんどだ。「欠員待機」をして、仕事が振られると一万円になることもあるが、派遣先は選べない。
仕事が入ると、港に近い駅に集められる。いかにも学生アルバイトのような若者から、働き盛りの世代まで多種多様だが、年齢が上に見える人ほど表情は暗い。中国で作られたお菓子がきちんと箱に入っているかを検品する日もあれば、パチンコ台の製造につく日もあった。天井からつりさげられている電動ドライバーで、
朝から晩までただひたすらパチンコ台にネジを八か所留めていったという。その時は、一週間で一五〇〇ものパチンコ台のネジを留め続けた。
「時給一〇〇〇円は滅多にない。日雇い派遣は外国人が多く、工場で仕事を教える側も外国人が目立って増えてきた」
■「安定した職」はどこにあるのか?
コンビニ向けのおにぎりやパンを作る工場でも、外国人労働者が半分ほどを占めていたという。皆、ほとんど日本語を話すことができない。スーパーに納品する総菜の仕分けの派遣先では、フィリピン人が現場監督をしていた。マスクはしているが、ゲラゲラと大声で談笑しながら仕事をしていた。外国人労働者には真面目な人も多いだろうが、
今このなかで自分も働いているのかと思うと、不安がこみ上げてくる。
「日雇い派遣は、需要が変わるからこそ存在する働き方。今の仕事の内容では、永遠に正社員にはなれないだろう」
そう悟った。別のリスクもある。
「ガテン系の派遣は、使い捨てにされるからずっとはできない。工場の仕事でも、全工程を知って学ぶことができれば違ってくるとは思うが、長く働かないことが前提の日雇い派遣に教えてもらえるのは、せいぜいネジ打ちなど工程の一部分だけ」
必ず仕事を紹介することが売りの日雇い派遣に心が動いた時期もあった。しかし、その場合は日給六〇〇〇円程度のことが多く、生活を維持するので精一杯で貯金もできない。せめて日給一万円に届けばと思うが、そうした仕事はあまり回ってこない。これでは社会保険にも加入できず、国民年金と国民健康保険では不安だ。
「この構造から抜け出すのが難しい。若い労働力が減っているというのに、なぜこんなにも安定した仕事に就けないのか」
素朴な疑問に襲われる。そして、多くの中年フリーターが健司さんと同じような悩みを抱えているはずだ。 ■フリーターのほうが稼げた時代もあった
健司さんは、東京の下町育ち。高校は三年生になる直前に中退した。二年ほどコンビニエンスストアや飲食店でアルバイトをして、いわゆるフリーター生活を送った。それでも月収三〇万円ほどになり十分に暮らしていけた。
だが、ずっと狭い店舗のなかにいると、次第に「太陽の光を浴びた仕事がしたい」と思うようになった。即配サービス会社の仕事を見つけると、「メッセンジャー」と呼ばれる、自転車やバイクを使った配送の仕事に就いた。
業界大手の会社から仕事を受注する個人事業主としての働き方だった。企業から言われるままに業務請負契約を結ぶと、日々ひっきりなしに仕事の依頼が携帯電話のメールに送られてきた。もし断ることが多いと「あてにならない」と仕事を干されてしまうため、どんな仕事も引き受けた。都内はもちろん、東北地方までバイクを飛ばして荷物を運ぶこともあった。
一日に一〇〇キロメートルは走った。運送距離によって料金が変わり、そこからマージンが引かれて健司さんの収入になる。売り上げそのものは月五〇万円ほどになったが、手取りは月に平均二〇万円程度だった。雨の日は稼ぎ時で、できるだけ仕事を入れると、手取りで四〇万円以上になることもあった。
「たとえ高校を中退しても、頑張れば希望が持てるのでは」
歯を食いしばって頑張っていた。
■「偽装請負」という状態に不安を覚える
メッセンジャーの仕事は約六年続けた。勤め先は変わったが、いずれも個人事業主かアルバイトだった。そのうち、メッセンジャーの仕事にIT業務も加わるようになった。大手コンピュータメーカーが、バイク便ライダーがプリンタの修理をする「カスタマーエンジニア」を募集していて、人づてに声がかかったのだ。
プリンタのネットワークシステムについて、二カ月の研修を受けると仕事ができるという。時給も一三〇〇〜一五〇〇円と高めで、「これはスキルアップを図るチャンスだ」と期待した。
健司さんは大手コンピュータメーカーの社員証を渡され、顧客の元に駆けつけ、現場で指示を受けて働いていた。だが、実際には違う会社で業務請負契約を結んでいたため、これは「偽装請負」にあたる状態だった。
偽装請負とは、書類上、形式的には請負(委託)契約だが、実態としては労働者派遣である状態を指す。これは違法だ。そもそも請負とは、仕事の完成をもって対価を得ることをいう(民法第六三二条)。したがって、現場で仕事の発注者から指揮命令されながら仕事をしている状態は請負契約ではなく、派遣労働にあたる。
また、何重にも下請けされて誰に雇用されているか分からない状態になるのも偽装請負の特徴で、責任の所在が曖昧になるほか、基本的な労働条件が守られない問題が生じやすい。
健司さんのケースも典型的な偽装請負だった。「三重派遣」という状態に不安を覚え、「この業界で安定した働き方はできないだろう」と感じ、他の職探しをすることにした。 ■恋人との結婚が視野に入り、正社員の道を探る
この頃の健司さんは、交際していた恋人との結婚が視野に入り、なにがなんでも正社員の道を探りたかった。
筆者は、二〇〇五年頃から雇用の不安定が結婚を妨げていることを問題視してきたが、近年は次々と数字の面で検証されてきた。これについては、総務省統計局の「就業構造基本調査」が最も詳しい。
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●雇用形態別の大卒男性の未婚率
出典:就業構造基本調査(二〇一七年)
二〇〜二五歳の未婚率……雇用形態にかかわらず九五%超
三五〜三九歳の未婚率……正規雇用者は二四.七% 派遣・契約社員は六〇.六% パート・アルバイトは七九.四%
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そのほか、労働政策研究・研修機構「若年者の就業状況・キャリア・職業能力開発の現状」(二〇一四年)においても、雇用形態による結婚への影響が明らかになっている。男性で配偶者がいる割合は、二五〜二九歳の正社員で三一・七%だが、パート・アルバイト・派遣・契約・嘱託社員などの「非典型雇用」全体では一三・〇%に留まる
。「非典型雇用」のうち、パート・アルバイトに限るとわずか七・四%だ。
三〇〜三四歳では、正社員が五七・八%、非典型雇用全体で二三・三%、パート・アルバイトで一三・六%となる。つまり、男性は「正社員」であることが結婚の条件になっているといえる。同調査では、年収が高い男性ほど配偶者がいる割合が高まることも示されていた。 ■リーマンショックで終わった「新婚生活の日々」
二〇〇八年九月、健司さんは零細企業の製本会社に採用され、三カ月の試用期間を経て正社員になる見通しがついた。勤務時間は朝九時から業務が終わるまでで、深夜の二時に及ぶこともあった。月給は二五万円。人生で初めて社会保険にも加入できた。健司さんが就職した時は、業績が好調で工場はフル稼働。二交代制で夜勤にも入り、
残業代を含むと月収は三〇万円近くになった。
「もうすぐ正社員になれる。新婚生活が始まって、やっと安定した生活を送ることができる」
そう期待に胸を膨らませたが、リーマンショックが人生を変えた。
リーマンショックとは、二〇〇八年に米大手投資銀行のリーマン・ブラザーズが破綻したことに端を発する世界的な金融不安だ。その余波は世界におよび、当然、日本経済にも影響した。円高が進んで輸出製造業に不利な状態に陥ると、国内の工場では「派遣切り」が横行して、路上生活に追い込まれる失業者が激増した。
二〇〇八年一〇月二八日の日経平均株価は、バブル崩壊後の最安値となる六九九四円台をつけた。
特に打撃が大きかったのが、金融や不動産業界だった。不動産会社の冊子作りをメインとしていた健司さんの会社の業績はみるみるうちに落ち込み、仕事は激減してしまう。残業もなくなり、手取りは二一万円に減った。そして、社長は健司さんを正社員にすることを渋り始めた。
「これでは、アルバイトを掛け持ったほうが稼ぐことができるかもしれない」
健司さんは、会社の実情を察して正社員登用をあきらめ、ダブルワークを始めることを決意した。製本会社では時給の高い夜勤のアルバイトを入れ、昼間は日雇い派遣で稼いだ。合計三〇万円ほどの収入となったという。
仕事漬けの日々が始まると、妻とはすれ違いの生活となり、一年も経つと夫婦関係は悪くなり、離婚を余儀なくされた。製本会社の仕事はさらに減って、アルバイトの仕事すらなくなった。 小林美希『ルポ 中年フリーター―「働けない働き盛り」の貧困』(NHK出版)
■はじめて「死」を選ぼうとした瞬間
「自分にはもう、何も残っていない」
元妻と一緒に住んでいたマンションは引き払い、日雇い派遣をしながらシェアハウスで暮らすようになった。
シェアハウスは、使わなくなった町工場を再利用したもので、そこに三〇〜四〇人が住んでいる。中はパーテーションで仕切られ、二畳ほどのスペースに二段ベッドが無造作に置かれただけの部屋がある。しみついた油の臭いがきつい。ほこりっぽく、すぐに喉を痛めた。お金がなく、病気になっても病院には行けなかった。いつも前向きな健司さんも、この時ばかりは死を考えた。
それでも、望みは捨てなかった。派遣会社は仕事の紹介をしてくれる。それが地獄のような生活のなかに降りてきた、自分を救ってくれる蜘蛛の糸のように見えた。
「日雇い派遣でも、毎日仕事があるだけ良いのかもしれない。正社員になれたとしても、好業績が続かなければリストラされる。倒産すればもともこもない。だったら、誰も頼らず、独立を考えたほうがいいのだろうか」
二年ほど日雇い派遣で生活しながら求職活動もし、独立の可能性も探っているうち、正社員になるチャンスが到来した。
最初は契約社員での入社だった。ベンチャーのIT企業で、社長と上司と健司さんの三人で事業をスタートさせ、三年半の間に従業員は一〇人ほどに増えた。初めての「月給」をもらうと、やがて明確な契約がないまま正社員登用された。月給は手取りで一七万〜一八万円だ。大手アパレル会社の本社に、「ヘルプデスク」というITサポート事務員として常駐する。
取引先で起こる、レジなどのシステムトラブルへの対処が仕事だ。
最終更新:2/1(金) 21:05
プレジデントオンライン ■たった一度きり経験した「正社員」
だが、日中は店舗ごとにパソコンの導入や試行があり、その間にも故障などトラブルで問い合わせの電話が鳴りっぱなしだった。夜にならないと、集中して現場にかかりきりになれない。業務時間内ではとうてい仕事は終わらなかった。週末には、全国に二〇〇ある店舗のあちこちから、一〇〇件を超えるヘルプが来る。
あまりの激務に逃げるようにして職場を去った。健司さんが「正社員」を経験したのは、この一度だけで、結局は今も日雇い派遣などで職を得ている。
健司さんのような働き方は、社会保障制度からこぼれ落ちてしまい、病院にもかかれない事態に陥る。非正規雇用では民間の保険に入る余裕もない。
しかし、こうした非正規でも安心して働くことを支える仕組みがある。労働組合が運用している共済だ。たとえば日本医療労働組合連合会では、医療や介護職場などの労働者に向けた「医労連共済」を運用している。労働組合に入ることが共済の加入条件となっており、非正規雇用労働者でも組合員の家族でも加入できる。
「生命共済」「医療共済」「交通災害共済」をあわせた「セット共済」の掛け金は、最小で月額八〇〇円と加入しやすい。インフルエンザなど病気で五日以上休んだ場合でも、休業給付が受けられるのが特徴だ。時給制や日給制で働く非正規雇用労働者にとって、ありがたい制度だろう。日本医労連の共済担当者は「共済と労働組合に同時に入ることで仲間もでき、
職場で孤立しなくなる。労働条件の改善についても交渉しやすくなる」と話す。
こうしたセーフティネットこそ、国が構築すべきではないだろうか。
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小林美希(こばやし・みき)
労働経済ジャーナリスト
1975年茨城県生まれ。神戸大法学部卒業。株式新聞社、毎日新聞社『エコノミスト』編集部記者を経て、2007年より現職。13年「『子供を産ませない社会』の構造とマタニティハラスメントに関する一連の報道」で貧困ジャーナリズム賞受賞。著書に『ルポ 保育格差』など。
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労働経済ジャーナリスト 小林 美希 写真=iStock.com
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1/31(木) 5:00配信
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190131-00262930-toyo-soci
東海地方の大学を卒業後、日産系列のトラック販売会社に、営業マンとして入社したヨウジさん(編集部撮影)
現代の日本は、非正規雇用の拡大により、所得格差が急速に広がっている。そこにあるのは、いったん貧困のワナに陥ると抜け出すことが困難な「貧困強制社会」である。本連載では「ボクらの貧困」、つまり男性の貧困の個別ケースにフォーカスしてリポートしていく。
今回紹介するのは「今は年収580万円ですが、非正規時代は150万円くらいでした。今でこそ生活は安定していますが、20代でメンタルをやってから30代前半の時期は非正規公務員をしていました。なんで今生きているのは不思議な感じですが、そんなことでよければお話します」と編集部にメールをくれた、39歳の独身男性だ。
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■かつては日産系列のトラック販売会社に勤務
「日産のカルロス・ゴーン会長らを逮捕 東京地検特捜部」――。
かつて、自分や同僚たちの人生を狂わせた男の転落を伝えるニュースだった。2018年11月、夕方のオフィス。東京都内の団体職員ヨウジさん(39歳、仮名)は、勤務中にたまたま立ち上げたインターネットのポータルサイトで、この速報を知った。ヨウジさんはかつて日産自動車系列の会社に勤務していたが、激しいリストラの真っ只中に置かれたことがある。
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インタビューに応じるゴーン前会長の資料写真を眺めながら、「これが、私から奪った人、上司たちに涙を流させた人かと思いましたが、不思議と憤りとかはありませんでした」とヨウジさん。思い浮かんだのはベタな一節。平家物語の「おごれる者 久しからず」だったという。
ヨウジさんは東海地方の大学を卒業後、日産系列のトラック販売会社に、営業マンとして入社。「よくも悪くも日産らしい。ここで20年も勤めたら、係長くらいにはなれるかなと想像できる、のんびりした社風の会社でした」。年収は400万円ほどだったという。
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入社から数年後、当時の石原慎太郎都知事の肝入りで行われた排ガス規制により、多くの事業所が業務用トラックの買い替えを余儀なくされた。業界にとっては特需だったが、営業マンにとっては毎月の残業時間が80時間を超える、いつ過労死してもおかしくない毎日だった。
「1カ月で十数台売れればいいところ、黙っていても30台近く売れるんです。売れて、売れてしょうがない。そんな状態が1、2年は続いたでしょうか」
疲労がピークに達する中、ヨウジさんは取引先から車で会社に戻る途中で事故を起こしてしまう。さらにその数カ月後、メンタル疾患を発症。3カ月間、休職することになった。 ヨウジさんはその頃のことを「(事故当日は)運転中、信号待ちのたびにうとうとして、気がついたら前の車に追突していました。それから、ある朝突然、布団から出られなくなって……。病院に行ったら、抑うつ不安と診断されました」と振り返る。
さいわい事故は軽微で、ケガ人もなし。職場のフォローもあり、休職明けの復職もスムーズだった。メンタル疾患を抱えながらも普通に働き続けられる――。今思うと、この頃が「日産らしい」余裕があった、最後の時代だったのかもしれない。
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しかし、ほどなくして、すでに日産自動車の社長に就任していたゴーン前会長ら経営陣の方針で、ヨウジさんの会社は外資系の会社に売却された。追い打ちをかけるように、リーマンショックに遭遇。激しいリストラが始まった。
組織の統廃合により、大勢の社員が「社内失業」状態に追い込まれ、畑違いの部署に異動させられたり、明らかな降格人事を受けたりした。中でも、賃金の高い管理職らは連日、面談に呼ばれ、早期退職制度に応じるよう求められていたという。
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「私はまだ若手だったので、そこまでひどい退職強要はありませんでした。でも、お世話になった上司が、暗に『数字を出せないなら辞めてくれ』と言われたり、総務畑一筋だった上司が、部品の品質管理部門に異動させられたりするのを見るのは、つらかったです」
そんなある日、リーマンショックによる派遣切りのニュースをテレビで見ていて、ショックを受けた。自分が勤める会社の工場の門前が映っていたからだ。「その日は、同期たちと『この会社はもうダメだ、社員を守る気がないんだ』という話をしました」とヨウジさん。ほどなくして自ら退職届けを出した。
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■退職後はアルバイトをしながら職探し
しかし、この頃はリーマンショックによる不況の真っただ中。何度ハローワークに足を運んでも、正社員の働き口はなかった。ごくまれにあったとしても、残業代や社会保険などの規定があいまいで、「みるからにろくな会社ではありませんでした」。
その間、コンビニ弁当を作る工場で働いたり、スーパーでカット野菜の袋詰め作業などの仕事をしてみた。いずれもアルバイトで、時給は最低賃金水準。職場には、日系ブラジル人や中国人が多かったという。 「コンビニの弁当工場は、何時までに何個作らなくてはならないというのが決まっていて、いつも1分1秒単位で、急げ、急げと言われました。立ち仕事ですから、私なんて2、3カ月で足のつま先にしびれのような痛みが出るようになってしまって……。会社を辞めて後悔したか、ですか? 確かに、勢いに任せてなんであんなことしちゃったのかなと思うこともありました」
ヨウジさんは方針を転換、転職先を公務職場に絞って探すことにした。その結果、ある中核都市の臨時職員として採用された。税金を扱う部署で、仕事の内容は正規職員とまったく同じ。しかし、残業がなかったこともあり、年収は正規職員の3分の1以下の約150万円だった。
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実家暮らしとはいえ、このままではまずいと、別の自治体に転職。こちらは残業があったので、年収は約400万円にアップした。ただ、病気休職した正規職員の欠員補充による採用だったため、1年で雇い止めとなった。
残業がない代わりに、自立するには到底足りない収入。一定以上の収入は得られても、1年後には失業。どちらにしても、これでは将来が描けない――。
そんなある日、帰宅途中の駅ホームで、日産時代の上司と偶然再会した。50代のその元上司もリストラに遭い、別の会社で働いていた。自動車と関係のない業種で、正社員ではないという。互いに近況を報告し、別れた。
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「君くらいだよ、僕のことをいまだに部長と呼んでくれる人は」。そう言いながら人波にのまれていった元上司の背中を、ヨウジさんは今も忘れることができないという。
年齢にもよるが、正社員という身分をいったん手放せば、再び正社員として働くことは容易ではない。より好待遇の働き口を見つけるとなれば、なおさらである。はたしてヨウジさんは再起できたのか。
■現在は東京で労働組合の専従職員として勤務
実は、ヨウジさんは現在、東京で労働組合の専従職員として働いている。年収は約580万円。きっかけは、自治体の臨時職員だったとき、正規職員とのあまりの格差に、「愚痴の1つでも聞いてもらおう」と、庁舎内にある労働組合を尋ねたことだという。 後でわかったことだが、この労働組合は日本自治体労働組合総連合(自治労連)の傘下だった。自治労連は、政治的には共産党と協力することが多い全国労働組合総連合(全労連)の加盟。また、ヨウジさんが尋ねた労働組合は、全国でも珍しく非正規職員の組織化に力を入れていた。
これが縁で、いくつかの全労連傘下の労働組合の専従職員などとして勤務。いずれも年収300万円程度だった。そして数年前、東京の労組に“転職”をした。
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大企業によるえげつないリストラも、外国人労働者と一緒に働いた過酷な現場も、得難い経験だった。ただそう言えるのは、現在安定した収入を得られているからでもある。30歳を越え、八方ふさがりだったときに労働組合の門をたたいたことは、「幸運だったと思う」と、ヨウジさんは言う。
労働組合活動に関わる中で、非正規労働者を組織化することの難しさを感じている。非正規労働者は、雇用形態も期間もばらばらで、総務部門でさえ実数を把握していないこともざらだ。「まず(職場の)どこにいるかわからないんです」とヨウジさん。
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「官民問わず、非正規労働者が増えすぎたと思います。たとえ非正規でも、ちゃんと生活できるだけの賃金や身分保障があればいい。そうすれば、年金不安や生活保護費の増大、晩婚化、少子化――。いろいろな問題が自然に解決すると思うんですけど……」
一方で、正規雇用と非正規雇用の格差をゼロにすることは難しい、とも言う。「労働組合の人には怒られてしまうかもしれませんが、例えば、完全な同一労働同一賃金は現実的に難しい。
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でも、僕が経験した、非正規公務員の年収が正規の3分の1というのは極端すぎる。8掛け、7掛けくらいなら、生活できます。どんな問題でも、ちょうどいい落としどころを、(正規労働者、非正規労働者を含めた)みんなで探すことが大事だと思うんです」
■日産系列の会社員時代は「批判半分、懐かしさ半分」
ヨウジさんは、日産系列の会社員時代を振り返るとき、たびたび「日産らしさ」と言った。その言葉の意味を尋ねると、「批判半分、懐かしさ半分、といったところです」という。
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妻からも見放された34歳男性派遣社員の辛酸
手取り13万円で耐え続けた29歳の過酷体験
最終更新:1/31(木) 7:54
東洋経済オンライン 世の中お互い様。
妻が専業主婦の夫婦は1人分の国民年金の支払いで2人分の年金を受け取ることができる。つまり
つまり正当な支払いをせずに受給だけ満額もらえる。
つまり独り者の年金支払者がその人達の分の一部を支払っている。
生活保護受給者だけが叩かれるいわれはない。 ) / __,____ / (
). /// |ヽヽ\ / /(
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) /⌒ ,つ⌒ヽ> //(
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((( (つ ) /⌒ヽ > <傘で使う / /
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( |
/ / /⌒ヽ ミミミ ゴロンッ ((( (つ
_ (○ __) < 。А。> U
''" '゙''` '゙ ゙゚' ''' '' ''' ゚` ゙ ゚ ゙''`"∨∨"'゙''`"''"" "'゙''` '゙ 生活保護って借金があってもなれるらしいけど、
その場合、保護費から借金を返すってこと? 【超悪質!盗聴盗撮・つきまとい嫌がらせ犯罪者の実名と住所を公開】
@井口・千明(東京都葛飾区青戸6−23−16)
※盗聴盗撮・嫌がらせつきまとい犯罪者のリーダー的存在/犯罪組織の一員で様々な犯罪行為に手を染めている
低学歴で醜いほどの学歴コンプレックスの塊/超変態で食糞愛好家である/醜悪で不気味な顔つきが特徴的である
A宇野壽倫(東京都葛飾区青戸6−23−21ハイツニュー青戸202)
※色黒で醜く太っている醜悪黒豚宇野壽倫/低学歴で人間性が醜いだけでなく今後の人生でもう二度と女とセックスをすることができないほど容姿が醜悪である
B色川高志(東京都葛飾区青戸6−23−21ハイツニュー青戸103)
※色川高志はyoutubeの視聴回数を勝手に短時間に何百何千時には何万回と増やしたり高評価・低評価の数字を一人でいくつも増やしたり減らしたりなどの
youtubeの正常な運営を脅かし信頼性を損なわせるような犯罪的業務妨害行為を行っています
※色川高志は現在、生活保護を不正に受給している犯罪者です/どんどん警察や役所に通報・密告してやってください
【通報先】
◎葛飾区福祉事務所(西生活課)
〒124−8555
東京都葛飾区立石5−13−1
рO3−3695−1111
C清水(東京都葛飾区青戸6−23−19)
※低学歴脱糞老女:清水婆婆 ☆☆低学歴脱糞老女・清水婆婆は高学歴家系を一方的に憎悪している☆☆
清水婆婆はコンプレックスの塊でとにかく底意地が悪い/醜悪な形相で嫌がらせを楽しんでいるまさに悪魔のような老婆である
D高添・沼田(東京都葛飾区青戸6−26−6)
※犯罪首謀者井口・千明の子分/いつも逆らえずに言いなりになっている金魚のフン/親子孫一族そろって低能
E高橋(東京都葛飾区青戸6−23−23)
※高橋母は夫婦の夜の営み亀甲縛り食い込み緊縛プレイの最中に高橋親父にどさくさに紛れて首を絞められて殺されそうになったことがある
F長木義明(東京都葛飾区青戸6−23−20) ※日曜日になると風俗店に行っている #生活保護 生活保護受給で楽して甘えてます。それが何か?努力?自己責任なにそれww美味いの?馬鹿なの4ぬの??
https://www.youtube.com/watch?v=69k0Y62f608 就労移行支援事業所は、利用者1名×1日で行政から1万円前後の補助金が出てるんだよね。。 ツイッターやネットでテクノロジー犯罪と検索して、まじでやばいことを四代目澄田会の幹部がやってる
被害者に対して暴力団以外にタゲそらしをしてるがやってるのは暴力団で普段外に出ることが少ないため遊びで公共の電波と同じような電波を使って殺人をしてる
統失はほとんどが作られた病気で実際は電波によって音声送信や思考盗聴ができることが最近明らかになりつつある
警察や病院では病気としてマニュアル化されてしまっているのが現状で被害者は泣き寝入りしてる
被害者がリアルタイムで多い現状を知って、被害者間でしか本当の事だと認知できていない
実際にできると思われていない事だから、ただの幻聴ではない実際に頭の中で会話ができる
できないことだと思われているからこそ真面目に被害を訴えてる
海外でも周知されつつあることを知ってほしい。
このままだとどんどん被害が広がる一方
#テクノロジー犯罪
#四代目澄田会
[参考]
https://black.ap.teacup.com/yamisiougn01/6.html
https://tekunoroji-hanzaihigai.jimdo.com
https://blogs.yahoo.co.jp/patentcom 👀
Rock54: Caution(BBR-MD5:87f20c3c9ee883ab649a4d7f8b996d63) 日雇い拠点で300人抗議、大阪 西成、労働者らが閉鎖に反対
3/31(日) 21:29配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190331-00000101-kyodonews-soci
「あいりん総合センター」で閉鎖に抗議し、シャッターが閉まらないよう真下に寝転ぶ男性=31日午後、大阪市西成区
日雇い拠点で300人抗議、大阪 西成、労働者らが閉鎖に反対
仕事を探す日雇い労働者らが集まる大阪市西成区の複合施設「あいりん総合センター」で31日、建て替えのための閉鎖に反対する労働者らが最大300人近く集まり、座り込みをしたり、施設関係者を取り囲んだりして抗議する一幕があった。
同センターは13階建てで、1〜4階に職業安定所など労働者の支援施設が入る。1階には労働者と求人側が集まる「寄せ場」もあり、日中に多くの人が身を寄せていた。老朽化のため建て替えが決まり、4階までの入居施設は既に近くの別の建物に移転している。
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最終更新:3/31(日) 22:49
共同通信 👀
Rock54: Caution(BBR-MD5:1341adc37120578f18dba9451e6c8c3b) 日刊ゲンダイDIGITAL >
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記事
なぜ今なのか…庶民を直撃する“値上げラッシュ”のカラクリ
公開日:2019/02/22 06:00 更新日:2019/02/22 06:0
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/247958
値上げと増税が懐を直撃(C)日刊ゲンダイ
拡大する
怒涛の値上げラッシュが止まらない――。東洋水産は19日、カップ麺の「赤いきつね」や「緑のたぬき」など即席麺約200品目を6月1日出荷分から5〜8%程度値上げすると発表した。
ここ1カ月の間に発表された値上げだけでもこんなにある(主要品目)。
▽「味の素」コンソメ、食塩
▽「サントリー」ウーロン茶
▽「明治」「雪印」「森永」牛乳
▽「グリコ」プリン
▽「スターバックス」ドリップコーヒー
▽「CoCo壱番屋」ポークカレー
▽「日清食品」チキンラーメン、カップヌードル
昨年末までさかのぼれば、冷凍食品、アイスクリーム、コーラ、かまぼこ、ちくわ、焼きそば、小麦粉……。まさに枚挙にいとまがない。理由は異口同音に原材料、物流費、人件費の上昇だ。しかし、真意は別にあるという。
経済ジャーナリストの井上学氏が言う。
「実際、物流費や人件費が上がっていますが、今、これだけ値上げが集中するのは、10月の消費増税が影響しています。増税と同じタイミングで、原材料高などの理由で値上げをすると“便乗”と見られてしまう。さらに、増税後は消費が冷え込む可能性が高く、値上げするとモノが売れなくなる恐れがある。今がギリギリのタイミングなのです。
春に値上げをしておいて、落ち着いた頃に秋の増税の時、増税分を値上げするという感じでしょうか。加えて、日銀の“2%物価目標”も企業の値上げ活動を勇気づけています」
ほくそ笑んでいるのはアベクロだけか。 青山卒の◯バ◯◯◯ロ
自己愛性人格かつパラノイア(被害妄想)のイケヌマなので、ハラスメントやDV受けないように気をつけて! それ以外の犯罪もコイツのことだからやりかねん。 5 福祉・生活保護
貧困の打開、福祉の充実、社会的援護の推進をはかります
https://www.jcp.or.jp/web_policy/2019/06/2019-bunya05.html
安倍政権の改悪を許さず、必要な人すべてが受けられる生活保護へ
@生活保護法を「生活保障法」に改正する、
A国民の権利であることを明らかにし、制度の広報・周知を義務づける、
B申請権の不可侵を法的に位置づけ、保護申請の門前払い(水際作戦)を根絶する、
C定期的に捕捉率を調査・公表し、捕捉率の向上を図る――
など、生活保護を、国民の命と人権を守る制度として改善・強化していきます。
▼保護基準の切り下げをストップし、給付の改善を
▼「水際作戦」を根絶して、国民の受給権をまもる
▼膨大な漏給、低すぎる捕捉率こそ改革を
▼国民分断をねらったバッシング、受給者への人権侵害を許さない
▼「就労支援」の名による切り捨てをやめさせる
▼生活困窮者のサポート体制を抜本的に強化
▼国をあげて貧困打開をすすめる 路上生活者、台風19号の避難所入れず 台東区「住所ないから」
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会員限定有料記事 毎日新聞2019年10月13日 11時01分(最終更新 10月13日 11時52分)
.https://mainichi.jp/articles/20191013/k00/00m/040/082000c
台東区役所=湊芳久撮影
台風19号の被害が拡大した12日、東京都台東区が、路上生活者などで区内の住所を提示できない人を避難所で受け入れていなかったことが、同区などへの取材で明らかになった。
台東区によると、台風19号の接近に伴って11日午後5時半以降、区内4カ所に自主避難所を開設。12日にこのうちの区立忍岡小の避難所を訪れた2人に対し、「住所がない」という理由で受け入れを拒否したという。
区災害対策課によると、自主避難所は区民対象に開設。避難者には入所時に住所や氏名を記入してもらう。1…
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いますぐ登録して続きを読む 「生活保護」を頑なに拒む52歳男性の持論
10/11(金) 5:30配信
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191011-00307139-toyo-soci
日本には「生活保護」への根強い偏見がいまだ強くあります(編集部撮影)
現代の日本は、非正規雇用の拡大により、所得格差が急速に広がっている。そこにあるのは、いったん貧困のワナに陥ると抜け出すことが困難な「貧困強制社会」である。本連載では「ボクらの貧困」、つまり男性の貧困の個別ケースにフォーカスしてリポートしていく。
今回紹介するのは「毎日生活が苦しいです。税金は毎回遅れて支払っています」と編集部にメールをくれた、52歳の独身男性だ。
「生活保護をもらうのは、後ろめたい」
この記事の写真を見る
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週3回の人工透析を受けながら、月額約6万円の障害年金で暮らすマサヒロさん(仮名、52歳)は、そう言った。
生活は厳しい。今夏、クーラーを使ったのは、熱帯夜が続いた8月のある夜の1時間だけ。トイレは、水道代を節約するため、近所のコンビニで借りる。食事は、閉店間際のスーパーで半額に値引きされた総菜。風呂がないので、週1、2回だけ銭湯に通う。携帯や公共料金の支払いも滞りがちだ。
「健康で文化的な最低限度の生活」からは程遠いのに、マサヒロさんは生活保護を利用するのは「恥ずかしい」のだという。
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「親戚の中には、都庁に勤めている人もいますから。生活保護なんていったら、顔向けできなくなっちゃう」
私が、なぜ恥ずかしいのかと尋ね ると、マサヒロさんは、こいつは何を当たり前のことを聞いてくるんだという顔をする。重ねて尋ねても、筋道立った答えは返ってこなかった。
■日本に根付く「生活保護」に対しての概念
生活保護は“恥”である――。貧困の現場を取材していると、こうした声を耳にする機会は少なくない。しかも、貧困状態にある当事者がこうした言葉を口にするのだ。
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身体を壊して働けなくなった60代の独身男性は「故郷の秋田に帰りたいけど、生活保護では世間体が……。年金をもらえるようになったら、故郷に帰りたい」と言った。また、働いても、生活保護水準以下の収入しか得られないシングルマザーは「簡単に福祉に頼るような人間にはなりたくない」と、ダブルワークを始めた。
生活保護に対するスティグマ(社会的羞恥感)は、昔からあるには、あった。一方、メディアや政治、社会あげての「生活保護バッシング」が巻き起こったのは、2012年、人気お笑い芸人「次長課長」の河本準一の母親が生活保護を受給していると、週刊誌がスクープしたことがきっかけではなかったか。 河本のケースは法律的には不正受給ではないが、道義的な責任は否定できないとして、後日、本人による謝罪会見が行われた。しかし、その後も一部ワイドショーなどは不正受給をテーマにした特集を繰り返し、まるで、世の中が不正受給だらけであるかのような印象を与えた。
受給自体が“悪”であると言わんばかりの空気が蔓延する中、自治体には、特定の市民を名指しし、「親族に公務員がいるらしい」「母子家庭なのに、男が出入りしている」といった密告が増加。ネット上には、「甘えている」「税金泥棒」などの言葉があふれた。街頭では、外国籍住民への生活保護を止めろというデモも頻発。
当時の民主党政権下では、不正受給の厳罰化や親族の扶養義務強化、生活保護費の圧縮といった方針が打ち出された。
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多分、マサヒロさんの「後ろめたさ」も、こうした空気の中で、醸成されたのだろう。
しかし、生活保護を利用することは、本当に恥ずかしいことなのか。
生活保護法を普通に読めば、生活保護の利用は、国民の権利であることがわかる。
何かとやり玉に挙げられる不正受給も、受給額全体に占める割合は0.4%にすぎない。その内訳も、同居している子どものアルバイト収入などの申告忘れといった無知や誤解に基づく事例が大半だという。人口全体に占める利用率も増えているわけではない。
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一方で、生活保護を受給できる資格を持った人のうち、実際に利用している人の割合を示す「捕捉率」はわずか2割。9割を超えるフランスや、6割を超えるドイツなどヨーロッパ諸国と比べると、かなり低い。私としては、この異様な“受給漏れ”の多さのほうが、よほど恥ずかしい
。リーマンショック以降、「稼働世帯」の受給者が急増したのは事実だが、その背景には雇用環境の悪化に伴う貧困がある。人々にスティグマを植え付けるよりも、まずは劣悪な雇用環境を何とかすべきだろう。
. ■父親のいいなりになってしまっていた
マサヒロさんのことに、話を戻そう。
マサヒロさんは、東京郊外で理容院を営む両親の元で育った。将来は、旅行関係の仕事に就きたかったが、反対する父親から「ぶん殴られ」、高校卒業後は理容師の専門学校に入学させられた。資格試験を数回受けたが、いずれも不合格。理容師になるのは諦めた。
その後、ビル清掃のアルバイトをしたものの、月収は10万円ほど。転職してトラック運転手になったときは、月収は20万円を超えたが、慢性的な長時間労働を強いられた。また、このときは、いつか大学に行こうと思っていたので、あえてパート社員として入社した
。ところが、後になって父親が勝手に会社側と契約を結び直したため、不本意ながら正社員にされてしまったと、マサヒロさんは言う。
何から突っ込むべきか――。まず、大学に行きたいからといって、パートで働く必要はない。正社員にも退職の自由はあるのだから。それに、雇用形態を父親に決められるなどということがありうるのか。あったとしても、さかのぼって無効だろう。
これに対し、マサヒロさんは「父には小さいころから殴られ、心身ともに支配されてきました。この恐怖は経験した人でないと、わかりません」と反論。パート勤務を選んだ理由は「正社員なのに、簡単に辞めては、会社に迷惑がかかると思ったから」と説明した。
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この会社は次第に経営が悪化。結局、勤続約10年で、自己都合退社に追い込まれた。その後に就いた仕事は、工事現場やイベント会場などに派遣される警備員。雇用形態を尋ねると、「隊員」だという。「隊員」などという雇用形態はない。マサヒロさんによると、ヘルメットや制服は会社支給で、確定申告もしていないというから、
おそらく、個人事業主ではなく、非正規雇用なのだろう。月収には波があり、十数万〜20万円だという。
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この頃、会社の健康診断で糖尿病の恐れがあると指摘されたが、休みが取れないという理由で放置。10年ほどが過ぎた40代半ばで、専門の医療機関を受診したときには、すでに手遅れだった。数年前から人工透析を余儀なくされ、警備員としての収入はほとんど途絶えてしまった。
「病院には早く行きたかったんです。でも、そのたびに会社から『別の日にしてくれないか』と言われて……。私も、自分が行かなければ、現場が回らなくなると思ってしまったし、次の現場、次の現場と指示されるうちに時間が経ってしまいました」
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数年前に父親が他界すると、今度は遺産トラブルに見舞われる。父親は、マサヒロさんと両親の3人が暮らす自宅と、郊外にある理容院という、2つの不動産を残した。ところが、父親の死後、すでに結婚して実家を出ていた妹が、自分が自宅を、兄が店舗を相続すると一方的に決めたうえ、預貯金は一銭も残っていないと、告げてきたのだという。
表情も口調も温厚なマサヒロさんがこのときばかりは「貯金がゼロなんて、絶対にうそ」と激しく妹をののしった。マサヒロさんは、店舗ではなく、住み慣れた自宅が欲しかったのだ。ただ、「妹のだんなに脅された」とはいえ、関連書類にはすでにサイン済み。家庭裁判所の調停も不調に終わったというから、決定を覆すことは難しいようにもみえた。 しかし、長年自分を支配下に置いてきた父親の遺産なんて、どうでもいいじゃないですか。マサヒロさんにそう言うと「人生をダメにされた損賠賠償ですよ。慰謝料だと思っています」と持論を展開された。
実は、マサヒロさんは現在、自宅を追い出され、元理容院だった店舗内にある4畳ほどの休憩室で寝起きしている。不動産を所持しているので、厳密には、生活保護を利用することはできない。「店を売ることも考えたのですが、(売却後)賃貸アパートに引っ越したら、すぐに家賃が払えなくなり、生活保護になってしまう。
それだけは後ろめたくて嫌なんです」というのが、正確な言い分である。
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父親が憎いなら、早く家を出ればよかったのにとか、もっと早く糖尿病の治療を始めるべきだったとか、そういったことは、私を含めた“外野”がいくら言っても仕方がない。
たとえ、どんなに人がよくても、要領が悪くても、普通に生きる権利はあるわけで、そうした社会を目指すのであれば、個人の責任以上に、長時間労働の末に労働者を使い捨てたり、病院に行きたいという社員を阻んだりする会社にも、問題はあるだろう。 ■「自分はまだマシだ」という安心感が欲しい
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マサヒロさんに、今、どんなセーフティネットが必要かと聞くと、同じように貧困状態にある人が集まり、互いに話ができる場が欲しいという。理由について、マサヒロさんは透析の注射針による赤黒い痕があちこちに残る左腕をさすりながら、こう言った。
「自分が、(日本における貧困の)どのあたりにいるのか知りたいんです。もっとひどい人がいるとわかれば、正直安心もしますし、もしそうなら、透析のない日に警備の仕事を入れてもらうよう頼むとか、別に派遣の仕事を探すとか、まだできることがあると思って」
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見当違いとはいえ、会社のためにパート勤務を選び、自らの健康を二の次にし、それでもなお生活保護をもらうのは後ろめたいと考え、もっと働かなければという。マサヒロさんらしい答えだと思った。
マサヒロさんはお金をかけずに、暇をつぶせるからと、よく携帯でニュースを読むという。最近、印象に残ったのは、タイのエビ漁の現場における、出稼ぎ労働者の実態をリポートした記事だ。記事によると、
労働者は、眠らないように覚せい剤を打たれたり、暴力を振るわれたり、時にはみせしめのために仲間を殺されたりしながら、1日20時間の奴隷労働を強いられているという。この記事を読み、マサヒロさんは何を感じたのか。
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「これと比べたら、日本はまだいいなって。私はまだ幸せなほうだなって思いました」
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藤田 和恵 :ジャーナリスト 「お前らは人間じゃないと言われてるようだった」男性は避難場所のすぐ外で台風の夜を過ごした
10/14(月) 12:11配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191014-00010001-bfj-soci
夜の上野公園
「風をしのぐために避難場所の外にいただけでも、ここは入り口だから移動してくれと言われた。お前らは人間じゃない、と言われてるようだったね。私たちも人間ですよ」
台風19号が東京を襲った12日、上野公園で一夜を過ごした路上生活を送る男性(79)はこう話す。
男性が野宿をしたのは、台東区が外国人観光客や日本人の帰宅困難者が避難できる場所として解放した、東京文化会館の裏だった。
台東区の災害対策本部は「住所がない」という理由で12日、路上生活者に対し自主避難所の利用を断った。【 BuzzFeed Japan / 冨田すみれ子 】
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「お前らは人間じゃないと言われてるようだった」男性は避難場所のすぐ外で台風の夜を過ごした
男性が仲間と一夜を過ごした文化会館の外。雨風をしのげるものは周りにない。
強い風が回るように吹いていた12日の夜
男性は12日午後、迫ってくる台風の夜をどこで過ごすか、他に上野公園で野宿をしている人たちと話し合い、その中で「自主避難所」という選択肢も話題に上がったという。
「避難所に行こうか話し合ったけど、たぶんダメだろうと一人が言い出した。話し合っているうちに、上野公園から一番近い自主避難所の小学校まで歩いて行った仲間が『ダメだった。断られた』と帰って来たんです」
男性は、ぽつりぽつりと台風の夜について話し始めた。
日中は観光客で賑わう上野公園だが、東京文化会館や動物園の営業などが終了して夜になると、公園や付近で野宿する人々がいつも会館の屋根の下に風をしのぐために集まるという。
男性は、台風15号の時も上野公園で野宿をしていた。15号の時は、風は強かったが一方方向に吹いていたために、どうにかしのげた。しかし19号では風が回るように吹いていたために、周りで野宿していた他の人たちと共に、避難できる場所を探した。
. 「お前らは人間じゃないと言われてるようだった」男性は避難場所のすぐ外で台風の夜を過ごした
上野公園内では、木が折れるなどの被害もあり、所々「立入禁止」の黄色いテープが張られていた。
「避難場所の入り口なのでここにはいないで下さい」
文化会館の入り口付近に、塀で囲まれている箇所があり、そこに避難したという。すると移動するようにと告げられたのだ。
「警備員もいるが、暗黙の了解のようなもので、いつもはそこに集まって寝ている。しかし昨晩は『ここは避難場所の入り口なのでここにはいないで下さい』と言われた」
「文化会館はガラスばりで中が見える。見たときはガラガラで、ほとんど人もいなかった。風雨が強くなったら中へ、というのが普通の考えだと思うけど。お前らは人間ではないと言われているようで、非常に腹が立ったね。まともに考えて、差別だよね」
都内でも川が氾濫し、浸水などの被害があった12日夜、台東区は区内に4カ所の自主避難所を設置した。
加えて、交通機関が計画運休をしたために区内に留まらざるを得なくなった外国人観光客や、国内遠方からの訪問者のために、東京文化会館と浅草文化観光センターの2カ所を避難・宿泊できる「緊急滞在施設」として解放していた。
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次ページは:「私たちも人間だ」 上野では台風の翌日も、多くの観光客が行き来していた。
「私たちも人間だ」
避難場所のすぐ外で野宿を強いられた男性はこう語る。
「最近は路上生活者だって、教会や支援施設で風呂も入っているし、綺麗にしている。でももし風呂に入っていなくったって、私たちも人間だ」
「職業が何か、金を持っているかで判断するものじゃない。まあでもそういう考え方は行政だけじゃなくて、世間全体でも同じですね」
今回の件で台東区役所への批判が高まる中、男性はさらに排除の動きが強まらないか、少し懸念を抱いているという。男性は滞在先を転々としており、たまに上野公園で野宿をしているが、長期にわたって同公園で野宿をする人への影響を心配する。
「この公園に5年も10年も住んでいる人がいるんですね。上野公園は路上生活者にとって比較的やさしい場所ですけど、今回問題になったから全面的に路上生活者を追い出すとなってしまえば、また一から寝る場所を探さないといけなくなる。彼らはここにしか住むところがないんです」
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「お前らは人間じゃないと言われてるようだった」男性は避難場所のすぐ外で台風の夜を過ごした
公園内には風雨で折れた木の枝が散乱していた。 「住所がない」「避難所は区民の方への施設」
路上生活者の自主避難所利用を拒否した理由として、台東区役所の広報課担当者はBuzzFeed Newsに12日、「住所がない」「避難所は区民の方への施設」ということを挙げた。
「住所不定者の方が来るという観点がなく、援助の対象から漏れてしまいました」と説明したが、路上生活者が避難所を利用できないという判断は、「区の決定」で「災害対策本部の事務局が判断した」とも話している。
だが、広報担当者によると、外国人観光客や国内の遠方から来た帰宅困難者向けに解放された施設には、名前や住所を記入する「避難者カード」は入り口に設置していなかった。
つまり、住所を確認して利用の可否を判断されたのは、路上生活者だけだった。路上生活者は、東京文化会館では、入り口の外側で風雨をしのいでいただけでも移動するように言われている。
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「災害とは生存をめぐる問題」
12日午後、上野駅付近や上野公園で路上生活者の見回りや物資配布をしていた、一般社団法人あじいるのメンバー、中村光男さんは「災害とは生存をめぐる問題です。ある特定の人を排除し、区が差別をしているということは酷すぎます」と話す。
中村さんら、ボランティアのメンバーは12日午前、路上生活者に配る食材やタオル、着替えなどを準備し、午後に見回りと呼びかけに出発したという。
まず上野公園から一番近い自主避難所に指定されていた小学校へ行き、職員が4人と避難者が4人いたことを確認し、駅と公園に向かった。
避難所はガラガラで、路上生活者を断るなど思いもしなかったメンバーは、避難所の場所が印刷された地図のチラシを配って、早めの避難を促した。
すると路上生活者の一人が「その小学校に行ったけど、断られた」とボランティアらに説明したという。実際にボランティアが区役所の災害対策本部に電話すると、路上生活者は利用できないという旨を説明された。
「避難所の利用を断られた方は怒りをあらわにするでもなく、『いつものこと』『行政は我々には手を差し伸べてくれない』と言っていました」
気象庁は台風19号は甚大な被害が予想されるとして、「命を守る行動を最優先に」と呼びかけ、報道機関も繰り返し「最大級の台風がくる」「できる限りの対策を」と呼びかけていた。
そのような中で路上生活者も「あまりに風雨がひどくなったら避難所を利用するしかないんじゃないか」と心配し、中村さんたちは見回りから事務所に戻ったあと、再度、災害対策本部に電話で、警戒レベルが上がったり、避難指示が出た場合の対応を確認したという。
すると「区で決定しているために、(台風や避難指示が)レベルアップしても決定が覆されない限り利用できない」との返答があったという。
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次ページは:「首都直下型地震対策に大きな宿題」 「首都直下型地震対策に大きな宿題」
中村さんは長年、路上生活者の支援をしており、以前台風が東京を直撃した際には、隅田川が氾濫寸前まで増水し、ブルーシートの小屋ごと流された人をボランティアらで救ったりしたこともあったという。
しかしその際にも都も区も助けてくれず「行政というのはこんなところ」という落胆と失望の思いが今でも残っている。
今回も「またか」という思いはあるが、「今回の問題は大きな宿題として残った」とも指摘する。東京都が進めている首都直下型地震対策だ。
「台風は1日で過ぎますが、直下型地震となるとそうはいきません。避難者数も大量になりますし、考えなければならない問題」
海外では、災害の際には路上生活者に対しても駅や公共施設を避難先として解放し、ホームレスシェルターの設置を拡充させている国も多い。そんな中で東京都でこのような問題が起き、中村さんはこう語る。
「命に対する社会のあり方が問われています」
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【関連記事】
台東区が路上生活者の避難所利用を拒否。「来るという観点なく援助の対象から漏れた」と担当者
雨つゆに濡れる人にそっと傘を差し出すように 今夜泊まる場所がない人を支援する基金を設立
「まずまずで収まった」 自民党の二階幹事長の発言に批判相次ぐ
台風19号で広い範囲で浸水被害。水害後の「消毒」に役立つ身近な2つのもの
避難所や近所で言葉が通じない外国人がいたら、使える多言語会話ツール5つ
最終更新:10/14(月) 12:11
BuzzFeed Japan 貧困は「犯罪」になったのか? ホームレスの台風・避難所拒否事件から考える
今野晴貴 | NPO法人POSSE代表。雇用・労働政策研究者。
11/19(火) 12:05
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https://news.yahoo.co.jp/byline/konnoharuki/20191119-00151522/
(写真:アフロ)
先月、非常に強力な台風19号が日本列島を襲った際、台東区の避難所がホームレスの人の受け入れを拒否したことが問題となった。受け入れを拒否した理由は、「区民でないから」というものだ。
避難所は税金と引き換えのサービスだから、区に税金を納めていない者は避難所を利用できない、といたいのだろう。
だが、命の危険を感じて避難してきた人たちに対して、お金を払っていないからダメだ、という態度はあまりにも残酷だ。
この問題はネット上やテレビでも話題となり、賛否両論が巻き起こった。受け入れに反対する議論としては、「臭いし、怖いから一緒にされるのは嫌」とか、「他の人は生活のグレードが下がるのに、ホームレスの人だけ生活がアップグレードするのはおかしい」などというものもあった。
結局、ホームレスの人たちの中には避難所の利用を諦めた者もいたことが推察される。実際、台風19号による都内唯一の死者は多摩川の河川敷で亡くなった70代くらいの男性だった。
今回の事件では、ホームレスの人たちは「命」すらも軽んじられてしまう日本社会の現実が明白となってしまった。では、海外と比較して日本のホームレスの状況はどう違うのか、また、なぜこれほど苛烈なホームレスへの憎悪が生じてしまうのか。
すこし掘り下げて考えてみたい。 ホームレス自立支援法
まず、近年の「ホームレス対策」がどのように行われてきたのかを概観しよう。
90年代にバブルが崩壊してから、ホームレス(野宿状態)の人たちが大都市部の駅や公園などの路上に目立つようになった。それと同時に、行政によるホームレス排除も推進されていく。
例えば、94年には新宿西口のダンボール村が撤去されるという出来事があった。たくさんのホームレスの人たちがダンボールハウスを作って住んでいたため、ダンボール村と呼ばれていたところを、当事者や支援者の抵抗を行政が排除して撤去した。
今はその面影もなく、代わりに「動く歩道」や座ることのできない謎のオブジェが設置されている。
こうしたホームレス排除は繰り返し行われており、最近では渋谷区の宮下公園でのホームレス排除が記憶に新しい。
ただし、単に寝泊まりしている場所からホームレスの人たちを排除しただけでは、ホームレス問題そのものがなくなるわけではない。
そこで、2002年にはホームレス自立支援法が成立し、自立支援センターにホームレスの人たちを収容し、就労を通じた住居取得を促す制度が作られた。
この制度は、後述するヨーロッパのホームレス対策と比べても問題が多い。まず、日本の行政によるホームレスの定義では、「ホームレス」=「野宿生活者」となっており、その範囲が狭い。
しかし、ネットカフェ難民やマック難民など住宅難に苦しむ人たちは他にもおり、ヨーロッパの定義ではそれらの人たちも支援の射程に入ってくる。
また、日本の自立支援センターという施設では、個室のプライバシー空間が確保されていないことが少なくない。
精神疾患やアルコール依存症などの様々な困難を抱えた人たちにとって、そのような居住環境に耐えることは難しく、同居者同士でトラブルになることもある。
その結果、センターに居続けることが困難であるために失踪する人も後を絶たない。
さらに決定的な欠陥は、就労する能力がない場合には、自立支援法は適用されないということだ。
同法はセンターに居住しながら就労し、アパートの初期費用を貯めて、実際にアパートに移行することが目的だからだ。
そのため、稼働能力のないホームレスの人たちは生活保護の利用に移行していくことになる。 生活保護も「自立」を促進しない
生活保護を利用する際にも問題が多い。特に、居住場所として自立支援センターの代わりに無料低額宿泊所に入所させられるが、その居住環境は劣悪なことが少なくないからだ。
例えば、個室がなく、6畳ワンルームの真ん中をベニヤ板やカーテンで仕切られているだけであったり、南京虫が湧くような衛生環境であったり、風呂に毎日入れなかったりすることは珍しくない。
おまけに行政から支給された保護費の大半を徴収され、手元には1〜2万円しか残らない。こうした施設は、生活保護受給者を囲い込んで行政からのお金で稼ぐ「貧困ビジネス」とも呼ばれる。
つまり、生活保護の支援は、生活困窮者に独立した尊厳のある生活を保障するのではなく、劣悪な施設に収容し、いわば一般市民からの「隔離状態」に置いているのである。
尚、2015年時点で無料定額宿泊所は537施設あり、入所者(生活保護受給者)は14,143人に上っている。
以上のように、日本のホームレスの人たちは、路上ではもちろんのこと、ホームレス自立支援法や生活保護によっても、一般市民から隔離され、まともに人権が保障されない環境に置かれているといわざるを得ない。
このような「排除政策」の延長線上に、今回の避難所の事件が起こっているのではないだろうか。
ヨーロッパにおけるホームレス支援
それでは海外、特に福祉の発展したヨーロッパではどのようなホームレス支援が行われているのだろうか(以下、小玉徹他(2003)『欧米のホームレス問題』法律文化社を参照)。
まず指摘できるのは、日本と比べてホームレスの定義が広く、支援の対象が幅広いということだ。
欧州各国のホームレス生活者支援組織の連合体であるFEANTSAという団体によれば、ホームレスの定義には以下のものが含まれる。 極度のホームレス状態にある人々
…友人や親族の家を渡り歩いている人、公的あるいはボランタリーなシェルターを利用している人、車中泊している人、人間の居住のために建てられたものではない建物に住んでいる人
極度のホームレス状態に陥る危険のある人々
…住宅からの立ち退き措置を取られている人、住宅から立ち退かされた人
住宅をめぐる排除の状態にある人々
…著しく低水準な、かつ(あるいは)過密な居住環境にある人
これを見ただけでも、野宿生活者のみをホームレスとする日本と比べて、圧倒的に広範な支援対象者を想定していることがわかる。
それだけでなく、ホームレスは一般の労働者・市民と地続きの存在であることが前提となっている。
そのため、特にドイツやフランスではホームレスのみを対象にした法律が存在しない。あくまで、一般的な社会保障制度や労働市場政策を通じて、ホームレスの人たちを支援するようになっている。
ヨーロッパでは、低所得者向けの家賃補助や公共住宅の供給が共通して行われ、そもそもホームレス状態になるのを防ぐ法制度が整っているのである。
このように、隔離と排除を基本とした日本の政策と比べると、欧州ではホームレス問題の捉え方や取り組みの大枠が全く異なっている。
さらに各国を具体的に見ていくと、イギリスでは自治体と民間支援団体が協働してホームレスの人たちに対する炊き出しやアウトリーチ(支援者が問題を抱える人々の方へと出向いていく)、緊急宿泊所の提供を行っている。
また、一時的な居所としてホステルなどを提供し、そこから恒久的な住宅の提供に至るまで支援を行なっている。イギリスのホステルは日本の無料低額宿泊所とは異なり、ほとんどが個室である。
ドイツでは、住居喪失を未然に防ぐためのシステムが整っている。本人や民間支援団体から住居を失う恐れがあるとの通知を受けると、自治体の専門部局がまず当事者と家主との間に立ち、滞納家賃を分割で支払えるよう取り持つ。
これを家主が拒否した場合に、自治体は滞納家賃を肩代わりする。その上で、立ち退き訴訟が始まると訴訟経費なども支払うという。それでも立ち退きの決定に従わなければならない場合には、代わりの住居を斡旋する。 なお、日本の生活保護では家賃の補助はあっても、過去の滞納家賃の給付はない。
フランスでは、「住居への権利」が法制度化されており、これに基づいて「住居への権利運動」が社会運動として展開されてきた。
この運動は、ホームレスの人たちが空き家を「不法」占拠していき、裁判を通じて居住権を獲得するというものである。
この運動の結果、「必要に迫られての占拠は刑法に違反しない」ことや、大家の所有権と借家人の「住居への権利」が憲法上同等の価値を持ち、立ち退き執行に制限を課す判決が出されている。
人権を守るという価値観が、いかに深く社会に根付いているのかを感じさせる判決であろう。
ヨーロッパではホームレスの人たちが一般市民と地続きの存在と見なされ、支援が行われている。
そのため、一般市民がホームレス状態になるのを未然に防ぎ、もしホームレス状態になったとしても、住居を獲得するための支援や法制度が確立されている。
これは、日本の排除と隔離を前提とした政策とは相当に異なり、人権を尊重した「ホームレス対策」である。
貧困の犯罪化
では、日本ではなぜこれほど貧困者に対する「排除」と「隔離」が社会に根付いてしまっているのだろうか。
社会学者のジグムント・バウマンによれば、現代の消費社会において、貧困であることは「犯罪」となるという。
かつて先進国で工場労働が支配的であった時代には、労働倫理(労働こそが人間の正常なあり方であり、働かないことは異常であるということ)が重要視され、工場労働を通じて貧困は撲滅されるものとされた。
その中で、貧困者は「労働予備軍」(労働力のプール)として必要とされる存在であった。つまり、いずれは労働することが期待されていたのである。 しかし、製造業のグローバル化が進み、工場労働などの生産を中心とした社会から消費を中心とした社会へと移行すると、貧困者は人並みの消費生活を送ることのできない「欠陥のある消費者」と位置付けられるという。
しかも、「労働予備軍」として社会から必要とされることもなくなり、社会の「余剰」となる。かつての労働倫理は、こうした貧困者を道徳的に堕落した異常者とみなすことにつながる。
例えば、ホームレス、物乞い、アルコール依存症者などは、労働を拒否し、寄生的な生活を送っているとして、「アンダークラス」と呼ばれ敵視される。貧困は「犯罪化」され、一般市民は貧困者から自分たちの生活を防衛しようとする。
つまり、もはや彼らは再び就労することで社会を構成する仲間とはみなされずに、ただ排除され、隔離される対象となるのである。
これらの議論は欧米社会を踏まえてなされているわけだが、これまで見てきたように、この構図がよく当てはまるのは日本の方だと言っても差し支えないだろう。
ヨーロッパでもホームレスなどの貧困者を敵視する風潮が広がっているのかもしれないが、他方でそうした風潮に対抗するような社会運動があり、「余剰」されてしまった人々に対しても、人権を守る法制度が整備されてきた。
日本ではそれらが決定的に欠けている。貧困者はもはや社会を構成する仲間とはみなされず、人権保障の対象ともされない。貧困者をそのまま「余剰」とみなし、敵視する風潮が幅を利かせているのではないだろうか。
貧困者が排除される社会は誰にとっても済みやすい社会ではない。日本においても、人権を守り、ひいては社会を守るような社会運動と法整備が必要であると思う。 ツイート
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今野晴貴
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。雇用・労働政策研究者。
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。
ブラック企業対策プロジェクト共同代表。年間2500件以上の若年労働相談に関わる。著書に『ブラック企業』(文春新書)、『ブラックバイト』(岩波新書)、『生活保護』(ちくま新書)、『日本の「労働」はなぜ違法がまかり通るのか?』(星海社新書)など多数。2013年に「ブラック企業」で流行語大賞トップ10、大佛次郎論壇賞などを受賞。
共同通信社・「現論」連載中。一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程修了。博士(社会学)。大学講師。無料労働相談受付:soudan@npoposse.jp、03−6699−9359。
konno_haruki
haruki.konno.9
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https://togetter.com/li/1417625 奈良で不明の女子高生保護、誘拐容疑で姉ら男女3人を逮捕
.
毎日新聞2020年1月16日 20時49分(最終更新 1月16日 23時30分)
.https://mainichi.jp/articles/20200116/k00/00m/040/244000c
奈良県警=中津成美撮影
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奈良県葛城市の病院から9日にいなくなり、行方不明になっていた同県内の高校1年の女子生徒(16)が16日、東大阪市内で保護され、県警は同日、女子生徒を車に乗せて連れ去ったとして生徒の姉を含む男女3人を未成年者誘拐容疑で逮捕した。生徒にけがなどはなく、県警は詳しい経緯を調べている。
<一報では>奈良の高1少女が不明 「自分の幸せは自分で見つける」の手紙 .
<SNSで知り合った女子中学生2人誘拐容疑 36歳男逮捕> .
<女子中学生にわいせつ後、不明に 顧問教諭を懲戒免職> 有料記事 .
<「気持ち抑えきれず」 女性教諭、TDLで中学男子生徒にキス> 有料記事 .
逮捕されたのは、生徒の姉で東大阪市南上小阪、無職、児玉衣里(21)▽同、無職、石川恋(24)▽和歌山市永山、アルバイト、林徹(30)――の3容疑者。逮捕容疑は9日午前9時45分〜同10時10分ごろ、葛城市内の病院近くからレンタカーで生徒を連れ去った疑い。県警によると、3人とも容疑を認めているという。
16日午前9時40分ごろ、林容疑者から県警高田署に生徒を「保護している」と通報があり、捜査員が東大阪の児玉容疑者らの住居で生徒を保護。生徒は1人で病院を出た後、電話で姉の児玉容疑者らに連絡を取ったとみられ、「今の生活が嫌だった」という趣旨の話をしているという。【加藤佑輔、小宅洋介】 生活保護を申請すると親類縁者に連絡が行って
みっともないんだよな
あれも金じゃなく現物支給でいいのに
住宅、光熱費、食費、医療費ただなら現金は要らない
家から出ないし まずは今のこの国の政治家に対する法律を根本から見直し厳罰化すると同時に報酬(給与)の大幅な引き下げをすべきだし、
政治家を監視すべく第三者組織を作って常に監視し何かあったら独自の決裁で対象者を即時に更迭できる権限を与えるとかすべきだと思います。
それくらい今のこの国の政治家って質もレベルも相当に低いのが事実ですし現実ですから。
これを否定する政治家って自ら悪さをしている、すると言っているような者だし、相当に良いアイデアではないでしょうか?w ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています