>>432

おなかを空かせた狐は、たわわに実ったおいしそうな葡萄(ぶどう)を見つけた。
食べようとして懸命に跳び上がるが、実はどれも葡萄の木の高い所にあって届かない。
何度跳び上がっても届くことは無く、狐は激しい怒りとやり場の無い悔しさから、
「どうせあんな葡萄は酸っぱくてまずいだろう、誰が食べてやるものか」と、
負け惜しみの言葉を吐き捨てるように残して、顔を真っ赤にして去って行った。