ケトジェニック率(比/指数)投稿日: 2016年8月9日 作成者: kmasuda
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さて、この式があまりあてにならない最も大きな理由であるprotein = タンパク質に話を移しましょう。上には0.46、下には0.58という係数が使われています。

タンパク質は糖新生により糖になりますので、過剰なタンパク質摂取はケトン体産生にマイナスに働きます。またタンパク質摂取はグルカゴン分泌を促すこともわかっていますので、ケトン産生にプラスにも働きます。
またアミノ酸の中にはケトン体に変わるケト原性アミノ酸(トレオニン / ソロイシン / チロシン / フェニルアラニン / トリプトファン)もあり、これもケトン産生にはプラスに働きます。
ところが、この式で設定されている0.46や0.58という係数は常に一定ではなく、体脂肪率や食事内容によっては大きく変わります。
また、その人がケトン導入中(〜3日)なのか、ケトン順応中(〜2週間)なのか、順応後の順応深度がどの程度なのかによってもタンパク質係数は変わってきます。

そして、この式の最も大きな問題は、すでに蓄積されている脂肪と筋肉=タンパク質の量が摂取栄養とともにケトン産生に与える影響を全く考慮していないということです。
たとえば、断食している方は食事をとらなくてもとても高いケトーシス状態を保っています。この場合は1日一杯のエネルギー源は糖質のみの酵素ジュースしか飲まなくてもケトジェニック比は低いにも関わらずケトン濃度は高い状態が続きます。

この式はisocaloric、つまり【 摂取と消費カロリーのバランスがとれていることが前提 】となっています。減量ダイエットのようにカロリー差分を常に作りながら行うダイエットに厳密に使っていくには使いづらいですね。