残念な話が一つある。



それは過去に蓄積された糖(グルコース:炭水化物)によるたんぱく質(血管や体組織)の劣化は長期間にわたって不可逆的という事。

これは一時期の糖制限でも疾病(脳、心、腎の血管障害や癌、老化など)を改善する事は不可能という事を意味する。
例えば、長期間にわたって喫煙していた人が禁煙しても、肺が元の状態になるのに相当期間が必要であるという事に当てはまる。

更に追い打ちをかける様に、糖質制限すると、体脂肪の代謝を一とする脂質代謝に移行する。ホルモン感受性リパーゼによって、
体脂肪が遊離脂肪酸に変換され、 肝臓に集積されてアセトン、アセト酢酸、βヒドロキシ酪酸などのケトン体に変換され、
エネルギーとなるが、これに伴って血清脂質が上昇するので脳血管・心血管疾患の発症リスクが上昇する。

大動脈解離を発症して件の事故を起こした人はこれに該当するのではないだろうか。