村山由佳さんの「雪のなまえ」に、小6の女子が大勢の大人の前で泣き出してしまい、「6年生にもなって」「笑われてやしないだろうか」と思いつつも「しゃくりあげながら、どうにかして泣き止もうと息を詰めている」場面。
母親に抱きしめられて「泣き止む努力を放棄」する。

この心の動き、ものすごくよくわかる。この子がその後、どんな姿で、どんな泣き顔を見せたかも想像つくよね。
これくらいの年代で、大人に「泣いていい」とメッセージを送られると、こらえようもなく泣きじゃくり、言葉もことごとく嗚咽に埋もれて、大号泣になってしまうのは、自分にも経験あったな(クラスメートや不特定多数の大人ではなく、ごく限られた親戚の前だったけど)。
泣き虫の子が、最初から泣かない努力を放棄してる感じで号泣するのには鼻白んだけど、普段泣かない子が泣き出した時、仲のいい子に慰められて、表情を緩めた後に、思い切り顔中歪めて涙まみれ、みるみる目鼻真っ赤にして泣きじゃくるのは何度か見た。
部活のトラブルで、1時間くらい大泣きし続けてから、顔中泣き腫らしてもまだすすり泣きが止まらず、同級生に抱きかかえられるようにして教室に入ってきた子もいた。