【てらおあきら】

食う餅 硝子の向こうは風の街
食わず語りのあんこが切ないね
枯れ葉ひとつの重さもないお餅
あんこを失ってから

お餅を丸めながら
ウニの 淫具 抜き取ったね
お餅返す つもりならば 焼いてくれ

そうね 誕生餅ならアンコなの
そんな言葉が頭に餅搗くよ
あれは一月 目映い初日の出
誓った 餅の幻

孤食が好きな俺さ 気にしないで食っていいよ
気が変わらぬ うちに早く 食べてくれ

食う餅ガラスの向こうは亀の勃ち
ハメたおもちゃが残ったテーブルで
海苔をあわせて磯辺の丸餅に
丸める貴女を見てた

そして二升のお餅を丸めきり
町で米寿の小餅を見かけると
のどにあんこの小餅を詰めるのさ
お節を失ってから


※一部加筆修正