高校の時の話

俺の高校は、けっこう田舎の方にあった
ギリギリコンビニはあったけど、周囲には田んぼばっかりだった
少し離れたところには山もあった
当時の俺は、どっちかっていうと真面目な部類だった
部活なんて面倒だったから、部活にも所属してなかった
で、そんな俺の唯一の趣味は、絵を描くことだった
放課後に色んな場所に言って、スケッチブック広げて鉛筆で景色を描く
ただの趣味だったし、描いた絵を誰かに見せるなんてこともしない
もちろん、そんな恥ずかしい趣味なんて誰にも言ってなかった

その日も放課後に描く景色を探して自転車でうろつき回っていた

当時の俺には、いくつかのお気に入りのポイントがあった
そのうちの一つが、山の袂にあるぼろい神社
その神社は、ホントにぼろかった
雑草も生えまくってたし、壁とかも所々穴が空いてた
見る人によったら、スンゲエ不気味だったと思う
でも俺からすると、どっか神秘的な光景に見えたから、スケッチが捗るんだ

で、その日もその神社に行って絵を描いてたんだけど、いつの間にか俺からちょっと離れたところに女が座ってた

長い金髪の見るからにガラの悪そうな女だった
歳は中学生くらい
どっかの制服着たまま、タバコ吸ってた
で、俺を見てんだよ
まあ一人で絵を描く高校生なんて、傍から見ると痛い奴だからな
そういう目で見られることに慣れてた俺は、『まいっか』と気にせず描き続けた