私が首都圏にある大学院の学生だった頃、同じ系列ながら別の研究室の教授(理学博士)が
いました。この先生は日頃から何かと私に難癖を付けていました。研究に関することであれば
ともかく、自分の地位を振りかざして人間として侮辱するようなことを放言するのです。しかし、
私も学生の手前、面と向かって反抗するわけには行きませんでした。
 ある日、私が便所で排便しようとかがんでいたとき(あの当時は洋式でなく和式)、この先生が
咳払いしながら便所に入って来ました。そして、先生がジャーと小便し始めたタイミングを見計らって
私は高らかに放屁してやりました。その瞬間、同じ階の研究室(恐らくこの先生の研究室)からどっと
笑い声が聞こえて来ました。私は内心、「やったあ」と思いました。
 この先生は水道の蛇口を回して「くそぉ」とか言いいました。そこで、先生が便所から廊下に出る
タイミングに合わせて、駄目押しにもう一発、餞別を差し上げてしまいました。

 若気の至りとは言え、胸のすくような達成感を味わってしまった自分です。