電荷密度と電流密度は、遅延ポテンシャルの発生源。
電流密度は次元が紛らわしいが、要は、

電流密度=「単位体積当たりの電荷量(=電荷密度)」×「単位体積内の荷電粒子の平均移動速度」

で、電荷密度と同じように、「ある点」の物理量を表す。
よって、流体モデルでなく、多粒子モデルの点電荷でも「電流」は定義できる。

ただし、遅延ポテンシャルの定義式は、流体モデルと多粒子モデルで異なる。
多粒子系では、点電荷をデルタ関数で表すので、速度に依存して「ローレンツ収縮」する分、
発生源に対するポテンシャルの等方性が破れる。

流体モデルでは、均一性を保ちながら「ローレンツ収縮」せねばならず、均一な定常円電流の場合や、
均一な定常ソレノイド電流の場合などは、たとえ、したくても収縮しようが無く、
電荷密度分布は電流値に依存せず、均一かつ不変なままなので、
発生源に対するポテンシャルの等方性が破れない。