>>110
君は「理論をやる」という言葉の意味を真剣に深く考えたことがあるかい?

物理屋さんである以上、誰でも微分方程式を立てて解くのはお手のものだろうが
数学としての微分方程式論、つまり微分方程式に関する理論を真剣に深く勉強したことのあるのは
数理物理を志望する少数だけだよ

統計力学でもエルゴード性の仮定の適否などの勉強は統計力学という理論の論理構成の理解には必要だが
統計力学の具体的な問題を解くには全く必要のない知識

熱力学についてもどういう公理化をするのが適切かといった議論や勉強は熱力学の具体的な問題を解くには全く必要ない

ある理論の活用法(その理論の結果を使って問題を解く技能)を身に着けることと
その理論自体について知ることとは全く別

微分方程式の立て方や解き方を熟知して物理で解くべき問題に対する微分方程式を適切に立ててそれを解けるようになることと
微分方程式に関する解の一意性や存在性の条件など微分方程式論の様々な定理の証明法を学ぶこととは全く別であるようにね
(そして数理物理を志す少数の物理屋以外は後者の勉強はほとんどしない)