長さが縮むからくりについて、説明しましょう。
時空図を理解する必要がありますので、どこかで見つけて参考にしてください。

慣性系で静止してる観察者が、運動しているある物体の任意の座標に注目したとします。
そこが、時空図の基準点になります。
動く物体の基準点は、一つの時空図に、一つだけしか作ってはいけません。
物体の長さは、慣性系で静止してる観察者から直接見た場合では、固有長のままです。
これが、気に入らなくても、慣性系から見た座標系でのことですので、我慢してください。

次に時空図を見て、慣性系の同時刻線上にある、動く物体の前後の位置関係を見てみます。
すると、長さが縮むように計算されます。
この縮んだ長さの中で光がうごくことで、どの系からみても、光速度不変が成立するようになります。

たとえば、慣性系から、0.866cで飛ぶ、固有長30万キロのロケットの後端と先端を見ると、
そのまま見るかぎり、ロケットがどんなに速く移動しても、長さは固有長30万キロにしか見えません。
が、ロケットの後端を基準に、時空図で見ると、ロケットの長さは約15万キロとして計算されます。
では、そのまま見た場合の30万キロと、時空図で見た場合の15万キロと、座標が異なるではないかと、
怪訝に思われるでしょうが、それが、同時刻の相対性によって現実に起こる現象なのです。

現実にロケットが縮小して飛んだら、「絶対座標」が存在することになってしまいます。
「絶対座標」が存在しないことが、相対性理論の基礎的な考え方ですよ。