なぜ何種類もいた猿人や原人、旧人がすべて絶滅し、我々現生人類、ホモサピエンスだけが生き残ったのか。
それは彼らが我々人類と競合する存在であったからである。直接武力の行使があったかどうかはともかく、
彼らは現生人類の祖先との生存競争に敗れた結果滅んだのは明らか。ゴリラやチンパンジーですら生き残れた
環境変動要因だけで、それより遥かに高い知能を持っていた原人や旧人が滅びる事などありえないからだ。

この事は何を意味するか。つまり遺伝子操作によって人類より優れた新人類、ニュータイプを創造する事は
やがては旧人類ととなった我々人類の滅亡に繋がるという事だ。戦争になるか。食料やエネルギーや鉱物資源の
争奪戦になるか。単なる市場原理で必然的に負けるか。どの道をとるにしても人類が生き残る道はない。
これを避ける唯一の手立ては、種の分裂を招かず人類全体で一律の進化を実現する事のみだ。

しかし100億人に迫ろうかという人類を一律に人工的に進化させるなど技術的には検討の余地があろうとも
政治的、経済的に考えれば実現は極めて困難である。故に人類の存亡は機械生命体の創造の如何に
かかっていると言えるのである。当然、文明の主導権は機械生命体に移り、宇宙に広く進出する地球文明の
後継者も機械生命体。どの星でも同じ事が起きるので宇宙人も機械生命体となる。