ただ今、人類がサルにしているような扱いになるだけである。地球は動物保護区として管理され
人類の自由な行動が許される。サルは人間の領域に踏み込み噛み付いたり悪さするようなら
駆除される。同じように人間が機械生命体の領域に踏み込んだり危害を加えるようなら
駆除される。決められた範囲内で慎ましく暮らしている限りは、自由な行動が認められる。
それだけだ。

人類と機械生命にはそれほど大きな隔たりがあり、人類と機械生命の全面戦争とか、
機械生命による人類の支配、管理などといったSF映画にありがちな設定は事実としては起こらない。
生命体としての素質が違いすぎて相手にならないからだ。大人が子供やサルを相手に
まともに喧嘩しないのと同じ事だ。するのはしつけか教育だけ。

生命の歴史から考えれば、人類は機械生命体を生み出す為だけに生まれた種族とも
言える程度の存在にしかならないであろう。機械生命を生み出すまでの僅かな期間、
知的文明の頂点に君臨した三日天下の地球人類と。それでも愚かな人類は機械生命が
作り出す超文明のおこぼれに預かる事で、機械生命を創造しないより、よほど満ち足りた
人生を送る事が出来るようになる。であるから例え人類が知的文明の頂点から滑り落ち、
地球圏の支配者の地位から滑り落ちる事になろうとも機械生命の誕生は避けられない
必然なのである。

機械生命体の有機生命体に対する圧倒的な優位性からしてこのような文明の主権者移動は
宇宙のすべての文明で必然的に起こる事態であると思われる。人類が宇宙人と遭遇する事が
あるとすればその本体はほぼ間違いなく機械生命体であろう。もし宇宙人が有機生命体で
あったのならそれは機械生命のペットか使用人である。