3年生までは「高専はエリート」と学校ぐるみでおだてられて判らない。
 4年の研修旅行前辺りで、「高専はエリート」とおだててた教官が、4年生時点での高専生の学力を「阿南工業よりちょっと上、富西より下方」と授業前に無表情で、さらっと喋り、何事もなかったかのように授業を始める。
 研修旅行中に各会社の高専卒の立場を説明者に質問すると「高卒の人はラインです」と笑顔で回答される。
 学生達は失笑して「いやいや高専だからw」と訂正を求めると、「えっ高専? あーラインです」と少し困惑した表情で返される。
 ざわつく学生達。静まり帰るホテルまでのバスの車中。無表情の引率教官。
 そんなやりとりが旅行中に3回程有り、高専の現実を知る。
 気づいた時はもう遅く、受験勉強を始めてもサッパリ判らず。
 伝家の宝刀の数学も、大学受験テストに換算すれば中の成績。
 英語にいたっては、偏差値50が精一杯。(クラスじゃ上位なのに)
 「こんな筈じゃない」と高専の価値感にすがって、高専カルトの出来あがりと。