「若い川の流れ」
昭和40年代初頭という時代は、日本が一番良い時代だったのかも知れません。
小田急線沿線の代々木上原が物語の舞台のようですが、
当時は小田急電車が紺色と黄色のツートンカラーだったとは知りませんでした。
ロマンスカーも懐かしのチャイムを鳴らして走行しています。
男優たちはキチンと誂えたオーダーメイドのスーツを着ているので、
レディメイドのスーツしか着ない現代の若者たちよりも、スーツ姿が垢抜けていて驚きました。
令和の現代よりも社会が豊かにさえ感じましたが、それは大人たちが TPO をわきまえていて、
現代のようにどこへ行くにもファスト・ファッションばかりではなかったからなのかも知れません。
クルマも英国車のオープンカーでオシャレです。
昭和40年代初頭という、平和で豊かだった時代を懐かしく感じながら観ましたが、
ヒロインの松原智恵子さんが清らかで美しく上品で、現代の女性とは全く異なる存在に思えました。
たしかに、あの時代における日本女性たちの言葉遣いは上品で美しく、
今から振り返って見ると貴婦人ばかりだった気がします。
特にお正月の回でエメラルド・グリーンの振袖を着た松原智恵子さんは、「これぞ大和撫子!」といった感じです。
全体的に上品で節度があり、古き良き時代にタイムスリップしたい方には特にお奨めです。
(昭和39年の東京オリンピックで大変貌を遂げた直後の昭和40年代初頭における東京の風景が、とても良いです。)