そもそも「光復会」とは、日本の植民地支配時代に抗日独立運動を担った運動家の遺族たちで構成された団体で、
19年に会長に就任した金元雄(キム・ウォンウン)氏は、廬武鉉元大統領と親しいことでもよく知られている。

 文大統領が廬武鉉政権で大統領秘書室室長を務めていたというのはあまりに有名な話だが、その時代の名残か、文大統領もまた光復会のトップとは昵懇なのである。

 そんな「光復会」がこのほど改めて成立を目論む「反日称賛禁止法」は18年に提出されたものよりはるかに過激といえる。

 たとえば「光復会」は「反日称賛禁止法」の“関連法案”として「独立運動功労者法」「慰安婦被害者法」「強制動員調査法」などを提案している。
これらは文字通り、「独立運動家」「慰安婦」「強制徴用工」について、政府の歴史解釈と異なる歴史を語ることを禁止するものである。

「反日種族主義」執筆者らは肩身が狭い?
 仮に日本で“伊藤博文は韓国の植民地支配を推進した悪人だ”と罵ったとしても、言論の自由が保障されているから罰せられることはない。
それが、韓国では刑罰の対象となってしまうとすればぞっとする話だ。

 さらに「光復会」の反日法はエスカレートを見せる。

 かつて韓国では「日帝強制占領下の親日反民族行為真相究明に関する特別法」という法律が存在していた。
これまたおどろおどろしい名前だ。06年から09年にかけてこの法律に基づいて、
大統領直属の「親日反民族行為真相究明委員会」が、歴史上の人物に“親日”や“反(朝鮮)民族”のレッテルを張り付けるという恐ろしい政策が実行されたことがある。
東亜日報の創立主の金性洙(キム・ソンス)氏、名門・梨花女子大の元総長の金活蘭(キム・ファラン)氏、韓国現代美術の巨匠の金基昶(キム・キチャン)画家など、
日帝植民地時代に活躍した1,005人の知識人が新日派と発表された。

 この政策により、韓国で過去に叙勲を受けた人物のうち、68人が親日・反民族の思想があったと国から認定され、さらにこのうち9人については実際に叙勲が取り消されるに至った。
当時は叙勲取り消しのハードルが高かったのでこの人数に留まったが、今回は残りの59人についても叙勲を取り消せるような法律を作るべし、ということのようだ。