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何処か浅い感じ

@原作が有馬頼義で「兵隊やくざ」や「赤い天使」同様の通俗小説であること

A映画の2年前にNHKで小林桂樹主演で「遺書配達人」としてドラマ化されたものの後追いであること

B松竹が乗り気でない為、渥美プロの製作となり、今井正の独立プロの左翼映画的な貧相な絵作りになったこと

C闇市で田中邦衛が「軍閥なんかに騙されて云々」といった台詞を吐くが、戦争は軍部の暴走によるもので
 国民は皆被害者だったという単純な線引きが行われていること

D渥美が主演で、倍賞千恵子、財津一郎、春川ますみ、悠木千帆、吉田日出子、松村達雄、長門裕之、田中邦衛、
 北林谷栄といった共演者の顔ぶれが続くと、笑えない喜劇映画を観ているような錯覚におちいること

E戦争は銃後の遺族も皆不幸にするというテーマを最後に渥美の怒りで表現していること
 (見ていれば視聴者には自然と伝わる為、渥美は狂言回しの諦観者に徹し、淡々とした終わり方でよかった)

F70年代に入ってからの今井正は時代と足並みが揃わなくなったこと etc
 (次作「海軍特別年少兵」にも同様な弱点が散見される)