その辺に関しては溝口健二という世界の映画史を代表する監督がいるからw

>演技指導も厳しく、役者に演技をつけずやり直しを命じ、
 悩んだ役者がどうすればいいのか訊いても「演技するのが役者の領分でしょう」
 といっさい助言などをしなかった。また、演出の際、俳優たちに「反射していますか」と
 口癖のように言って回った。これは「相手役の演技を受けて、自分の演技を相手に“はね返す”」
 といったような意味合いであったといわれる。長回し主体の溝口演出においては重要な点であった。

 時には気に入らない演技をする役者に暴言を吐いたりもしている。
 菅井一郎は『わが恋は燃えぬ』の撮影中に、「君は脳梅毒です! 医者に診てもらいなさい!」
 と言い放たれ、スリッパで頭を殴られたという[19]。水戸光子は『雨月物語』の際に
 「あんたは輪姦された経験がないんですか!」 と言われ、
 若尾文子には『祇園囃子』の際に、決して名前を呼ばず「おい、子供」、
 『赤線地帯』の際には「顔の造作が悪い」と罵倒。かつて入江ぷろだくしょんに雇われ、
 名匠と呼ばれるきっかけを作った恩人でもあった入江たか子も、
 『楊貴妃』で「化け猫ばかりやっているからそんな芸格のない芝居しか出来ないのだ」と
 満座の中で罵倒されている[20]。ほか、『山椒大夫』の際に、子役に向かって
 「この子はどうしようもないバカだね!」と言い、すぐ近くにいた母親を落胆させている。
 『西鶴一代女』では助監督の内川清一郎と口論になり、彼を降板させている。
 そのとき内川に「女に斬られるようにならないと女は描けませんよ」と言い放ったという。

 出演者に強い負荷と緊張を強いる演出法であるが、
 「ちゃんと考えて、セットに入るときにその役の気持ちになっていれば、自然に動けるはずだ、
 と監督さんはおっしゃるんです。それは当然ですよね」という香川京子のコメント[21]などの
 好意的な評価も見られる。


>『西鶴一代女』を製作した児井英生[22]によると溝口監督はわがままで、
 権威のある人には弱く、目下のものには横暴というタイプであるため、
 役者からもスタッフからも嫌われていた。さらに映画で使われた道具を内緒で
 自分のものにしてしまったり、自分の生活費の一部を映画の製作費から
 支払わせていたということもあったという。