個人的な見解として,この映画は
「戦争映画」でも「反戦映画」でも「左翼映画」でもないと思う

極限状況に陥った際の,人間の「エゴ」・「業の深さ」を究極的に表現した映画だと評価する

生きて日本に帰るという信念のため
「黒豚」・「白豚」あるいは「代用豚」と称して,人肉を喰ってかろうじて命を保ってきた

しかし,そういった人たちは(奥崎は別にして),戦後は所謂「普通に生活をしているおじいちゃん」達なんだよ
ニューギニアで起きた人肉食や小清水大尉の件に関しては思い出したくもないし,中には墓場まで持っていくと思っていたひとたち多いと思う

この映画冠たるところは
普通の人間が,生き残るためには文字通り何でもやる
ということを赤裸々に,そして関係者の口から自白させていることに最大の価値があると思う