結局さ、黒澤の事をリアリズムの映像作家だと思うのが間違いなんだよ。
黒澤ってのは最初から独善キチガイであったんであって、ほとんどの作品が「キチガイの夢想」だ。
黒澤の夢想癖は「夢」において突然に始まったのではなく、
それ以前の「酔いどれ天使」「影武者」でも‘夢’が重要場面として登場するし、
‘すべては夢でしたとさ’というオチで終わる展開も「まあだだよ」以前に「虎の尾を踏む男たち」でヤってる。
愚作「八月の狂詩曲」が公開された際に「黒澤は遂にボケた」という声が多く挙がったが、
何て事はない、実は黒澤はボケたんではなく、最初から狂ってたんだ。
白痴だったのは、あの男だ。