「やくざ対Gメン 囮」(1973)

なかなかいいんじゃないの?
この作品のプリントこれしか残ってないんだって?
1968年の総長賭博でさえあんなに綺麗なのに。
やくざ(松方)と麻薬Gメン(梅宮)がタッグを組んで囮捜査の任務につく。
麻薬密輸組織のボス(菅原)を捕らえるために。麻薬Gメンのメンツやくざといい勝負。
三上のサングラスはどう見てもやくざ。曽根は顔がやくざ。藤岡はやくざ以上。
出だしから松方の留置所でのオナニー!オナニー!オナニー!
女(三島)から送られた紙に包まれたあそこの毛を見ながら。
悲しい程に切ない哀愁たっぷりの男のサガ、オナニー。
保釈で帰宅するや、三島と本能剥き出しで乳くり合うシーンはお客を喜ばせる。
おいしそうに食らいつくジャイアントフランクは間違いなくチンポを連想させてくれる。
松方は組の者に自分の命欲しさに梅宮が麻薬Gメンであることをばらしてしまう。
若頭名和から梅宮を殺るなら命助けてやるといわれ約束する。
しかし、松方は麻薬を手に入れた後も梅宮を殺さないで、「兄弟、一緒に逃げよう。」などという。
梅宮は自分の麻薬Gメンとしての仕事をやり抜くために松方を車から降ろす。
梅宮は一人で菅原の待つ場所へ車を走らせるが警察の邪魔が入り念願の菅原逮捕が叶わず。
松方は組の者に捕まり、裏切りの代償として車内で射殺される。
囮捜査は失敗に終わり、切なさ、虚しさが残る結末。
港で待ちぼうけをくらう菅原の、夕日をバックに映るアップの横顔はこの作品のすべてを
物語るに値する男の哀愁が画面いっぱいに表れている。痺れる映像。正に光と影。
あれ位の退色はまあ許せる。トビが残念。飯干晃一原作。実録作品としてもっと評価されていい作品だと思う。
昼間よりやっぱりレイト向きだろ。