こどものころ、家の近くに貧乏人の部落があった。

学校の行き帰りの途中に位置していた。

両親はそこを通らずにすむように、電車の定期を買って与えたが、一度もそれを使わなかった。

それだけではない。その特殊な部落にある銭湯にはいったこともあった。

そのときわたし、この貧しい人たちと液体で結ばれたと思ったのにねえ、エリートってだめですねえ。