>>141
話の腰を折らないで…。
ちょうど80-90年ていうのは、アウトローの世界にも転換期があったんだよね。
70年までにあった高倉健風の任侠・極道は細って消滅していった。
経済ヤクザが台頭してきて、地上げ、不動産、公共工事の仲介、日雇い作業員の口入れ、
総会屋、有価証券など諸々。

ちょっと脱線。
90年公開の『3-4x10月』が色空間が暖色より5600Kくらいで、赤・黄原色を強調。
93年公開の『ソナチネ』は一挙に色温度を上げて、いわゆる北野ブルーなんて言われてる。
色と世相には密接な相関性がある。
天武天皇の代に、深紫(こきむらさき)が正位上位の朝服でのみ使える色と定められて以来、
紫・青=殿上人(の中でも)上位職だけが着用できる色。
『あの夏いちばん静かな海』でも、当時から青すぎるという評価はあった。
不況の時には、寒色は高貴、富裕の連想から流行する色でもある。
実は91年以前に、バブルは崩壊して長い不況に入ると読んでいた訳だ。
それ以来、北野映画は一貫して青みを強く全面に出す色彩を中心に組み立てている。