ものが違う。レベルが違う。「ガメラ3 邪神覚醒」を見た印象はそんな感じである。冒頭、フィリピンの山村にギャオスの調査に出かけた長峰(中山忍)のシーンから映像に力が満ちている。深海探査艇があの無数のガメラの骸を見つけるシーンにも、
心が震えた。「これは傑作だぞ」そんな思いが駆けめぐった。その期待は途中で少し裏切られるのだけれど、脚本、演出、SFXのどれをとっても「ガメラ3」は日本映画のレベルをはるかに超えている。
渋谷壊滅のシーンがとにかくもの凄い。「ガメラ3」はこのシーンだけで後世に残る。ギャオスを追って飛来したガメラはプラズマ火球でビルを破壊し、逃げまどう通行人を踏みつぶす。さらにギャオスの燃える体が落下して多くの通行人が犠牲になる。
金子修介と樋口慎嗣は圧倒的な迫力と重厚感でこの場面を描ききった。「プライベート・ライアン」のノルマンジー上陸の場面に匹敵するインパクトがある