俺が「縄地獄」を評価するのは、団 鬼六先生の原作の味をよく出しているから。
鬼六氏の小説では、女性をムチでたたいたり血を流させるようなことはなく、
羽毛、張り形、浣腸といった羞恥責めで女性を調教していく。ところが鬼六氏
自身の言葉によれば、映画化するスタッフはSMのわからぬ人ばっかりのため、
すぐ「吊るせ、蹴飛ばせ」だったという。「縄地獄」ではそうした暴力はなくて、
浴槽のなかで鯉に陰部を突かせたり、剃毛したり、浣腸後の尻拭きまでしっかり
見せたりとまさに鬼六テイスト。もっと評価されていい作品だと思う。