>>408
本多作品に漂う‘負のオーラ’は、‘微妙に’というような程度じゃない。
(「ゴジラ対メカゴジラ」と書いてるけど、「メカゴジラの逆襲」の間違いだよ)
「ゴジラ」第一作、「マタンゴ」などの変身人間モノ、それに「メカゴジラの逆襲」には、
現世のすべてに対するドス黒い怨念のような暗い情熱が充満している。
「ラドン」前半の炭鉱と炭鉱町の、どこにも逃げ場がないような息苦しい閉鎖性にも、そういった個性が滲み出ている。
ドス黒い怨念、暗い情熱という点では、東映チンピラ映画に近いような雰囲気さえある。

「キングコング対ゴジラ」での一転してムチャクチャにバカ陽気なナンセンス・タッチは、
そういった暗い情熱を思いきり反転させてムチャクチャなアナーキー世界を作り出そうとしたものだろう。
「ゴジラ」第一作と「キンゴジ」との関係は、
東映における「仁義なき戦い」と「不良番長」との関係と同じ意味があるんじゃないか。