本多監督の「妖星ゴラス」を観ると、小松左京の描くSFを思い浮かべてしまう。
ある種の大きな災厄、危機に際して、大掛かりな計画が提唱され、数々の困難を
乗り越え、実行される、といったところが。
「さよならジュピター」なんか、本多監督が演出すれば、溢れんばかりの小松左京の
イマジネーションと、映画で描ける限界とをうまく調整して、もっとしっかりした
つくりになったかもしれない、と考える・・・。
ところで、小松左京が、「潜望鏡で宇宙を見るような映画は作りたくない」とか発言したそうだが、
「妖星ゴラス」のことなのか?
東宝は、SFマガジンの「SFコンテスト」の賞金を出したりしていたから、
怪獣路線以外のSF路線が定着すれば、もっと、SF作家原作の映画も製作されたかもしれない。