視点を変えると、「東京物語」は戦争未亡人の理想像を原節子に託していると思う。戦争を経験した人は感動するのでは。同様に小津安二郎は、「晩春」でやや保守的だが、日本人の父娘の理想像を託すことができたのではないか。凸の「浮雲」では理想像を託せない。