>>66
うん、そういう意識は、確実に存在したんじゃないかと思う。

敗戦でペシャンコになって、大陸を見なくなった人も多いが。

そういう意味で、黒澤さんは、「戦前派」だったんだと思うね。

もともと活劇の好きな人だから、戦前に監督になっていたら、
広大な大陸を舞台に、「現代活劇」を撮ったんじゃないかな。

そう思うと、黒澤さんにとって、李香蘭という「満洲美人」は、
戦後になっても、大陸の夢のシンボルだったのかもしれない。

戦後の山口淑子は、エキゾチシズムで売ることもできなくて、
と74さんも書いていて、一般には、その通りだと思うんだが、
『暁の脱走』『醜聞』の黒澤さんは、李香蘭の影を追っていた。