287さん

はい、読み終えています!
私は読書に長けた方ではないのと、映画の印象に左右されやすい性格なので、
貞之助目線で読んでいくと、自然に「面倒見が良くて、雪子や妙子にも
妻や子と同様の愛情を注いでいる、信じられないほど良き夫」と思えてきました。

貞之助は谷崎自身を投影していると思うので、谷崎の情景描写がそのまま
貞之助の観察力を表したものになっている部分が多いですね。

最初のうちはそんなに家族愛に熱〜い貞之助を感じられませんが、
だんだん雪子のお見合いに本気で付き添い、色々と世話を焼く場面が細かく
書かれていく辺りから、映画の石坂貞之助っぽく見えてきました。
もしかしたら、映画以上に一生懸命になっている貞之助かもしれませんね。