野田高悟との「構想ノート」が井上和男(編)の全集(新書館2003)
に収められているようで、それは未見なのですが、山田風太郎の記述によ
れば、がんにかかった男が主人公で、それを告知するかしないか、家族が
右往左往するプロットだったみたいですね。その主人公はやはり笠だった
のかな? しかしいずれにせよ全く離れた映画になっていたな。
ただ、それは渋谷が悪いというのではなく、彼に撮らせる立場にあった
人だよね。黒澤みたいに弟子筋が担当すればよかったのかな。渋谷・小津
に友情や戦友めいた感情は互いに皆無だったのか。