「自分勝手に少尉に進級!オレが代わって指揮をとる!」
の名文句が泣かせる「兵隊やくざ大脱走」をただいま鑑賞し終わりました!
自分はっ、この「兵隊やくざ」シリーズはっ、日本映画のっ、一大傑作であるとっ、
確信するところであります!

本作も前半と後半がぶっちぎれており、違う話を一つにした感の中途半端な作り
でありますが、なかにし礼『赤い月』や誰だっけ『大地の子』が描こうとした
満洲に棄てられた日本人の姿が鮮やかに描かれており、それはそれは泣けるのであります。
有田偽中尉どのが避難民救援に立ち上がるシーンは、涙なくして見られないのであります。
昭和四十一年といえば、満洲から引き上げてきた人たちの記憶も新しい頃であります。その
人たちの記憶を裏切らぬ、悲しいシーンが画面に焼き付けられた本作は、まさしく、大日本
帝国の戦争の姿を非インテリ大衆の側から記録した、忘れてはいけない作品なのであります。

みんな、兵隊やくざを見てほしいのでありますっ!