死ぬにはまだ早い 1969、6
 ハードボイルドタッチの人質立て籠り事件の映画。黒沢年男主演。黒沢年男
 迫力は十分なのだが、それだけなので随所で演技がからまわりしてしまう。
 映画は緑魔子と高橋幸治の不倫密会シーンから始まる。緑魔子の役柄は美しい
 若い人妻で白いアメリカンスリーブのシャツに黒いカーディガンにミニスカート。
 「盲獣」や「カモとねぎ」のようなよそいきの緑魔子が堪能できるよ。
 アクが強い役だけじゃなくてこういう少し気取った役の緑魔子もっと観たいなあ。
 イケイケ時代の緑魔子なので放っておけば自然に脱ぐ、他のキャストが気を緩めた時に
 すかさず脱ぎ始めるが、ブラ姿になったところでストップ、その向きには全く不完全燃焼であるが、
 あんまり意味の無いシーンであるところが少し笑える。緑魔子が脱ぐシーンというのは
 マルクスブラザースの映画の中でのハーポマルクスのハ−プ演奏やチコのピアノ演奏
 シーンみたいなものなのだなあ、と思った。黒沢年男が緑魔子を抱きかかえているところの
 緑魔子はなぜかダッチワイフに見える。高橋幸治っていう役者、背広姿がなかなか良い。
 「チンザーノちょうだい」「スパゲッティちょうだい」★★★