小説版の「長い道」を読みたいっていう人、映画とはだいぶイメージが違うから
その辺は覚悟してから読んだ方がいい。映画では武の方が大柄だけど、実際は進
(映画版の武ね)の方が小柄な点とかね。あと暴力が映画以上に凄くて、ラスト
も救いがないです。小説版は主人公は自分の無力にうちひしがれて、本当の友情
とはいえない、今の二人の関係のままなのなら「別に会わなくてもいいか」とい
う意識で富山を去って行くのです。でも一カ所、ハッとさせられるのは「実は僕
ちん入者で、村の子ども社会の秩序を壊してしまったのではないか。だから進は
必要以上に権力をふるってしまった。だから本当は僕の方が加害者だったのかも
しれない」という述懐の部分ですね。