俺、地帝→東大院(生物学専攻)

10年前、研究者を志し研究に励んでいたが、当時ネットでいわゆる「ポスドク問題」
「高学歴ワーキングプア」「ピペド」が話題となり、研究を続けても正規の研究者(アカポス)
になれないのではという不安が脳内で拡大。耐えきれなくなり、その結果、大学院を去り、就職した。

一方で、研究が楽しいとそのまま大学院で研究を続けた周囲の学生・ポスドクの人達がいた。

当時は自分の選択は最良と思っていた。周りのように、今が楽しいからと厳しい現実を
逃避し、なれもしないアカポスに憧れるのは哀れだと思っていた。


そしてそれから10年が経過。現在の状況は次の通り。

<大学院で研究を続けた周囲の学生・ポスドクの今(大学・大学院の所属研究室で自分より±3学年)>

・東北大学 教授
・東北大学 准教授
・東北大学 講師
・東北大学 助教
・東京大学 講師
・東京工業大学 講師
・法政大学 教授
・自治医科大学 講師
・名古屋大学 講師
・名古屋大学 助教(2名)
・京都大学 助教
・神戸大学 教授

<俺の今>
・某県庁 係長

これらはあくまで俺が大学・大学院で所属した研究室のみの状況。他の研究室や学会で
知り合った人を入れればもっと多くなる。

当時の論調では、大学院に残った人はその後落ちぶれてゆくということになるが、
現実はそんなことはなかったのだ。

確かに、俺が大学院を去って最初の数年間は周囲はパーマネント職には就けず、
惨めなものであった。しかし、5年経った頃(つまり5年前)にはアカポスをゲットする
人が急に増えた。大御所だった教授達が大量に定年を迎え、ポストが一気に空いたからだ。

現在、俺と周囲の人ではどっちが上か一目瞭然。その中には10年前俺よりも研究実績が
なかった人も少なくない。大学院を去ったことを非常に後悔している。

これから研究を志す者へ言っておこう。

「大切なのは邪念に惑わされないこと。諦めたら負けだ。」