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【※参考書籍】
●『誰がアメリカンドリームを奪ったのか?(上・下)』 (ヘドリック・スミス著、朝日新聞出版)
<出典1> https://www.nikkei.com/article/DGXKZO84402240U5A310C1MZA001/ (※日本経済新聞:2015年3月16日 14:00)
<出典2> https://www.amaz■n.co.jp/誰がアメリカンドリームを奪ったのか-上-資本主義が生んだ格差大国-ヘドリック・スミス/dp/4023313602/

《最も裕福な1%の国民が、富全体の93%を保持している格差大国、アメリカ。401kプランからニューエコノミーまで、『富裕層を優遇し、中間層を苦しめてきた歴史』を分析する。ピュリツァー賞受賞ジャーナリストによる、全米ベストセラーの『アメリカ論』。》

*「書評」(同志社大学 A教授 (一部変更))
「…『平等な機会を活かし、勤勉と努力によって成功を勝ち取ること』が『アメリカンドリーム』とされる。
 しかし、本書で議論の対象となるのは、そうした一握りの大成功者ではない。『ミドルクラス(中間層)と称される、ごく普通の人々』による幸福の追求である。」
「このささやかな夢の実現が現在、困難になるだけでなく、『中間層から貧困層への没落が進んでいる』。」

「普通の人々の“夢の実現”はなぜ難しくなったのか?
 本書では『大企業による議会への働きかけが奏功して、労働法、破産法、年金制度などが企業に有利となるように次々と改正されたこと』が指摘される。『人員削減が容易になり、企業による年金費用負担も減少した』。『企業収益が拡大する中で、経営者に支払われる報酬も一挙に増大した』。『富裕層に対する所得税率の引き下げ』などが加わった。」
「その一方で、『工場などはグローバル化の流れの中で海外(中国など)に移転し、就業機会も乏しくなった』。IT関連などの知識産業での雇用拡大が見込まれたが、『これらの仕事もやがて賃金が割安なインドなどに流出したり、外国人労働者によって埋め合わされた』。」

「こうして『普通の人々の仕事の多くは米国からなくなった。あったとしても賃金は従来の半分程度まで引き下げられた』。彼らの夢を奪ったのである。
 本書では『超格差社会、米国の姿』、特に中間層没落の実際が赤裸々に語られている。」