最澄さんも万人救済思想です

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最澄の生涯は、あらゆる人々を救うという
『法華経』の説く理想の世界を実現することに捧げられました。
全国に『法華経』を収めた宝塔を建てる六所宝塔、
比叡山における大乗戒壇の設立の構想などはいずれも、
この理想を実現し、人々の幸せを祈るためのものです。

なかでも、出家者にしか許されなかったそれまでの受戒を、
より開かれたものにした大乗戒壇の設立はきわめて革新的であり、
日本の仏教に大きな影響を与えました。

守り伝えられてきた貴重な宝物や、
『法華経』の説く万民救済の最澄が打ち立てた日本天台宗は、
釈迦の教えの中でも『法華経』こそが完全円満な究極の教え(円教)
であるとした中国・隋時代の天台大師智(538〜598)の
仏教理念のもと成立しました。

そこに最澄が中国で学んだ密教・禅・大乗戒を加えた
「円教・密教・禅・大乗戒」の四つの柱をもつ点が、
日本天台宗の最大の特色です。

すべてのものに仏になる素質があることを説く
『法華経』の一乗思想を教えのいしずえとしながら、
弟子たちによって多様に展開した教学は、その後、
多くの祖師たちをはぐくむ母体となりました