ガラバンダルのように、30年以上も経ってから偽物だと判明する場合には、多くの人に信じられないほどの大きなダメージを与えます。悪魔のやり方は、人を罪や不信仰に誘惑するといった単純な方法だけではないはずです。

 悪魔の働きには、キリスト教の内部の出来事として現れるものがあります。「偽預言者」がその代表的なものです。そのことはイエス・キリストの忠告として、「多くの偽預言者が起こる」(マタイ24:11)、「しるしや不思議な業を行い、できれば、選ばれた人たちを惑わそうとする」(マルコ13:22)と記されています。
 ちなみに「偽預言者」とは、信仰に関して偽のメッセージを発する者です。本人が「預言者」と自称したかどうかは問題ではありません。

 ガラバンダルのように、12歳くらいの子供たちが天使や聖母を見たというケースもあり、彼女らを「偽預言者」扱いすることにためらいを覚えなくもありません。しかし、子供たち自身が騙されていた(利用されていた)ということもあるので、運動体となった「偽出現」と捉えられると思います。どちらにしても、子供は嘘をつかないはずだという一点に判断をのせてしまうことは危険です。
 「サタンでさえ光の天使を装う」(2コリント11:14)ということを心に留める必要があるでしょう。

 これらは教会の内側で起こる悪魔の働きであるので、大変巧妙だといえるでしょう。いわば高等戦術です。ロザリオを唱えさせ、回心さえ勧めます。しかし最終的には、教会内に分裂を引き起こし、賛同してしまった人々を精神的に追い込みます。騙されたショックで信仰を失ってしまう人もいるでしょう。