8.最初期の原初キリスト教は、大きく3つのグループに分けられ、その一つのグノーシス派キリスト教徒とは、イエスとイエスの教えには従ったが、司祭や教父あるいは教会によって救われることを拒んだ人たちであった。
つまり、組織としての教会の権威を認めない人たちであり、その為カトリック教会から、キリストに対する冒涜、異端、反キリスト、偽りの霊として迫害されたのである。
このグノーシス派の文書には、マグダラのマリアが娼婦ではなく、イエ
スの伴侶であったと書かれていた。
ヨハネによる福音書に、カナでの結婚式の祝宴の物語には、イエス自身の結婚式についての記憶が織り込まれている。
カトリック教会では男性しか司祭になれないのであり、もしマグダラのマリアを「イエスの伴侶」と認めた場合、男性優位の家父長制度が崩れると考えたのであろう。そこで、カトリック教会はマリアを娼婦扱いしたと考えられる。