5.イエスの直弟子たちは、イエスを「先生(ラボニ)」とか「師(ラビ)」と呼んでおり、「神の子」とか「キリスト」と呼んだ事はなかった。また福音書には、イエスが「神の子キリスト」と自称した記述は無く、「人の子」と自称している。
もし「神の子」としての自覚があったなら、肉体の死を前に「わが神、わが神、なぜ私をお見捨てになったのですか」とは言わなかったである。
キリスト教は「人間イエス」の悲劇的な死を「賭いの死」と「復活」の教説でまとめた「パウロの宗教」と言える。イエスが「神」と書かれたのは、イエスの死後70年以上たって書かれた第四の福音書ヨハネからであり、イエスは十字架を背負っていなく、ヨハネ福音書だけは「イエスは自ら十字架を背負い、ゴルゴダという処へ向かわせた」としている。