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  理趣経百字の偈

菩薩勝恵者 あるとき、自分をふりかえり、より良く生きようと決心したものは、乃至尽生死  この世に、生命が発生し、生死を繰り返す、苦しみを見るかぎり、恒作衆生利  ひとり、安穏に楽しみを貪ることなど出来ず、
而不趣涅槃  ともに苦しみ、ともに努力してやまない。
般若及方便  そのためには、正しい知恵と、正しい実行が必要である。まず、自分は、いったい何が分かっていて何が分かっていないのか。自分とは宇宙の何ものか。
何が大事で何が大したことでないのか。生命が自己拡大という盲目的『自我欲』によって生存していること。生命が快と不快の感覚を持ち『痛み』を持つものであること。
生命のある者は、世界について知るのみならず自己についても若干の知識を持ち、さらに、他の生命についてもその心というものを多少分かるということ。つまり、自分の生存を批判的にとらえるということであり、他者の生存を評価できるということである。
 ここから得られる結論は、『いつもみんなのしあわせを忘れない』ということ、そして、『欲望のありのままに生きるのではなく、より良く生きようとする』ことである。
 このことを知るだけでは不十分であり、このために努力実行して、事実がそのようにならねばならない。