>>613
已りは”おわり”でしょうね。

中論 觀三相品第七 三十五偈 (漢文/よみくだし/ひらがな読み)

 357 此生若未生 / 此の生若し未だ生ぜずんば / このしょうもしいまだしょうぜずんば
 358 云何能自生 / 云何が能く自ら生ぜん / いかんがよくみずからしょうぜん 
 359 若生已自生 / 若し生じ已りて自ら生ぜば / もししょうじおわりてみずからしょうぜば
 360 生已何用生 / 生じ已りて何んが生を用いん /しょうじおわりていかんがしょうを もちいん

(現代語訳)

 この未だ生ぜざる生がどうしてそれ自体を生ぜせしめるであろうか。
 もしすでに生じたものが生ぜしめるものだとすると、すでに生じたのにどうしてさらに生ぜられるであろうか。
 (龍樹 中村元 講談社学術文庫)

 まだ生じていない生起相が、どうして自分自身を生じさせることがあろうか。
 あるいは、既に生じている生起相が自分自身を生じさせるなら、生起相がは既に生じているのだから、さらに何が生じるというのか。
 (龍樹 『根本中頌』を読む 桂紹隆・五島清隆 春秋社)