1.
> 原始仏教に於て説かれた禅定観は仏教独自のものでなく、その当時行なわれていたインドの修法に基づくものであろう。
> (中略) 定には種々の使用例がある。 (中略) (6)止(奢摩多 wamatha) 観(毘鉢舎那=vipasyapa) 心の一処に寂止する状態、止観均行
> (原始仏教の禅定観 吉瀬 勝)
2.『雑阿含経』所説の安般念(十六特勝※)による構成
@念息長 A念息短 B覚知一切身 C覚知一切身行息 D覚知喜 受念処 (七覚分) E覚知楽 F覚知心行
G覚知心行息 H覚知心 I覚知心悦 J覚知心定 K覚知心解脱 L観察無常 M観察断 N観察無欲 O観察滅
※ 安那般那念は、狭義には文字通り、入出息(呼吸)を意識する(あるいは、呼吸を数える)ことで、
意識を鎮静・集中させる止行(サマタ)の一種、ないしは導入的な一段階を意味するが、
広義には、そこから身体の観察へと移行していき、四念処に相当する観行(ヴィパッサナー)の領域も含む。
3.禅定について
> また四法があって四禅という。
> 比丘が欲・悪・不善の法を除き、覚あり観あり、
> (『長阿含経』卷六 「衆集経」第五)
4.禅定について
> 正観し、また煩悩を断じることを、静慮(dhyana)と名づける。