>>77
814 ティッサ・メッテイヤさんがいった、「きみよ。婬欲の交わりに耽る者の破滅を説いてください。
あなたの教えを聞いて、われらも独り離れて住むことを学びましょう。」
815 ブッダは答えた、「メッテイヤよ。婬欲の交わりに耽る者は教えを失い、邪まな行いをする。
これはかれのうちにある卑しいことがらである。
816 かって独りで暮していたのに、のちに婬欲の交わりに耽る人は、車が道からはずれたようなものである。
世の人々はかれを『卑しい』と呼び、また『凡夫』と呼ぶ。
817 かってかれのもっていた名誉も名声も、すべて失われる。このことわりを見たならば、
婬欲の交わりを断つことを学べ。
818 かれは諸々の欲の想いに囚われて、困窮者のように考えこむ。
このような人は、他人からのとどく非難の声を聞いて恥いってしまう。
819 そうして他人に詰られたときには虚言に陥る。
すなわち、自らを傷つける悪行をつくるのである。これがかれの大きな難所である。
820 独りでいる修行をまもっていたときは一般に賢者と認められていた人でも、
もしも婬欲の交わりに耽ったならば、愚者のように悩む。
821 聖者はこの世で前後にこの災いのあることを知り、独りでいる修行を堅くまもれ。
婬欲の交わりに耽ってはならない。

                           スッタニパータ経典